短編集【anm】 (ページ4)

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お昼寝から目覚めたAさんと生チョコの仕上げをする。
Aさんが打ち合わせに持って行く分は軽くラッピングをして、少し形が崩れてしまった分を味見することにした。

「コーヒー入れますからAさんは座ってて下さい」
「はぁい！ありがとうございます」
「いえいえ」

本日2度目のコーヒータイムはブラックが飲めない彼女と一緒にオーツミルクでラテにした。

「はい、お待たせしました」
「ありがとうございます…！」

マグカップを受け取った彼女は改まった顔で俺を見つめる。

「あらきさん、今日は本当にありがとうございました」
「大した事はしてないですよ」
「この生チョコはあらきさんが居たから出来上がったんですもん！私ひとりじゃ食材を無駄にするばかりで…お菓子作りは学生時代から成長しませんね…」

両手で包み込んだマグカップを悲しそうにみつめる彼女。

「…その事なんですけど、これ」
「え？」
「さっきのブラウニー、ちょっとだけアレンジしたんで一緒に食べてもいいですか？」
「え！すごいっ！」

冷蔵庫に隠していたブラウニーを彼女の前に出す。

「てっきり捨てられちゃったかと思いました…！」
「Aが一生懸命作った手作りですよ？捨てる訳ないじゃないですか。例え消し炭だって俺は食べます」
「も〜！本当ですか〜？」
「ほんとです」

彼女の顔に笑顔が戻る。
一生懸命頑張ったり、オロオロしたり泣いたりする健気な彼女も可愛いが、にこにこと朗らかに笑う彼女が一番可愛い。

「あらきさん、大好きです」

そう言って向かいの席を立ち、勢い良く抱き着いてきた彼女を抱き締める。
耳まで赤くした健気で可愛い彼女が瞳をつむるのでそのままキスをする。

「俺もAが大好きですよ」

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明日、ちょっとした翌日談をあげます…！