短編集【anm】 (ページ27)

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心地良い音楽と共にシャチショーがまもなく始まると館内アナウンスが入ると彼女の瞳が輝き出す。

「なるせ、早く行こ！」
「うん、いこっか」

無邪気にはしゃぐ彼女の手を取って並んで歩き出す。
今はもう手を繋ぐ事に緊張するなんて、あの頃の様な初々しさはないけれど彼女を好きという気持ちは増すばかりなのだから不思議だ。

「Aは可愛いね」
「も〜急になに〜？」

・

「かわいい〜、どこに置こうかなぁ？やっぱりベッドかなぁ？」

一日ゆったりと水族館を楽しんで、はしゃいだ気持ちのままお土産コーナーで出会ってお迎えしてしまった手のひらサイズのシャチのぬいぐるみを嬉しそうに見つめるA
年甲斐も無く二人揃って一匹ずつお迎えしたので俺の分のシャチはデスク横に置く事にしよう。

「今日は楽しかったね」
「だねぇ」
「なるせ、今日はありがとうね」
「こちらこそ、誘ってくれてありがとう」
「いえいえ、運転してくれたのはなるせだし、私はシャチにはしゃぐなるせが見れて嬉しかったよ」
「え、俺はしゃいでた？」
「うん、『うわぁ〜！！でかぁ！！！』って言ってた」
「うわっ、はっず…」
「レストランの水槽もワクワクした顔で見てたし…可愛かったですよ、なるせくん♪」

目を細めて笑うA

「も〜やめて〜！」
「フフッ、また来ようね？」
「…うん、また来よ」

車内で次は二人でどこに行こうか？なんて次のデートの予定を立てながらゆっくりと家路を辿る。
二人でならどこへ行ってもきっと楽しいはずだ。

リクエスト
《なるせと水族館デート》

遅くなりましたがリクエストありがとうございました！

私は作中にも出したシャチになりたくて白黒の服ばかり着ていた🍥ちゃんのエピソードが好きです。