短編集【anm】 (ページ13)

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発熱(nrs) ページ13

熱が出ると途端に甘えたになる。
目はとろんとするし、いつもの賑やかさはどこか
へ行ってしまう。

ちょっとでも離れようものならすぐにぐずるのでベッドの横で看病しつつ、昼下がりカーテンを揺らす風と隙間から入る薄い日差しで読書をするA。
(とそれを「なんかいいなぁ..」と思いつつ見詰める🍥)

「あれ、起こしちゃった？」
「いや、さっき起きた」
「熱は？まだしんどい？」

テキパキと体温計を差し込んで、解熱シートを取り換えてくれるA

「熱、ちょっと下がったね。よかった...さっきお粥作ったけど食べられそう？」
「くう...」

健気に看病をしてくれる彼女にキュンとして、たまには熱のせいにして甘えてもいいかな....と餌を待つ雛鳥みたいに口を開けてみる。

「え...私が食べさせるの？」
「...ダメ？」
「も〜、特別だからね」

仕方ないなぁ、と笑う彼女。
珍しく甘えてくる🍥の姿にまんざらでもない
様子。
ふわりと笑って氷枕も作り直そうかなんて話しかけてくる献身的な彼女。

「ねぇA？」
「ん？」
「…好き」

思わず普段恥ずかしくてあまり伝えられない気持ちを伝えたりなんかして...
2.3日調子は悪いけど、熱が下がれば元通り…

という訳でもなく発熱期間中の彼女の優しさに味をしめて「俺、まだ調子悪いかもぉ〜」なんて調子に乗って甘えるので恥ずかしがりの彼女に怒られる。