黒の恋 (ページ5)

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５　（あなたside）ページ5

雨の日が好き

なんとなくどんよりしてて

少し暗い感じ・・・

自分の存在さえもかすめてくれるような気がするから

あの日私は何となく・・・ただ何となく

雨に濡れれば私って皆から見えなくなっちゃえるんじゃないかと

好奇心にも似た気持ちを抑えきれず

傘もたたんで

ただ上を見て雨に濡れてみた

けど暫くして公園に住む野良猫が足元にすり寄ってきて

「なんだ・・・見えてるじゃん・・・」

って視線を移すと

私を少し離れたところから見つめる

同じ制服を着た男性1名・・・・・

最悪・・・絶対怪しいやつだと思われた・・・

しかも去年同じクラスだったやつじゃん・・・

名前は・・・・・・・・

なんだっけ？覚えてないや・・・

とにかく変な噂を立てられても困る

さっさと立ち去ろうと思ってその場を離れたのに

そいつとの再会は思いがけず早くやってくる・・・

靴箱で一人背の高いやつ・・・

昨日のやつだと思いながら少し視線を向けてしまったのがいけなかった・・・

ばっちりと目が合って

「はよ」

挨拶になってんのかわからない挨拶をされる

これって聞こえないふりしていい？

ぎりセーフなんじゃ・・・？

なんて考えてると同じクラスの夜久が後ろからやってきて

何となく立ち去れる絶妙な空気を作り出してくれたもんだから

ここぞとばかりに立ち去った

よし、乗り切った。

心の中で小さなガッツポーズ

なのにそいつはまたも私の前に現れる・・・