黒の恋 (ページ30)

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30　　　あなたside ページ30

赤くなった目はそんな短時間じゃ元に戻んなくて

諦めて教室に戻ると

那奈ちゃんと夜久君が心配そうにこっちを見るから

できるだけの笑顔を返した

授業が始まって

気持ちが何となく落ち着いて

冷静さを取り戻していくと

余計に自分のしたことが嫌になる

なんであんな事クロに言っちゃったんだろ・・・

後悔先に立たずとは正にこのことだな・・・なんて考える

そんなことを考えてたらあっという間に授業が終わって

那奈ちゃんが立ち上がってこっちに来ようとしてるなって視線の端にとらえてたら

「なぁ。」

っていつの間に来たのかわからない夜久君が

私の机の前にしゃがんで

私の顔を下からのぞき込んでて

「っっ・・・・・！！！」

思わずびっくりして声も出なかった

「びっくりした・・・・」

って私が目を丸くすると

夜久君は困ったように笑って

「なんかあったでしょ？」

って心配そうに私を見つめる

なんて言ったらいいんだろうって

考えたけど

いい案なんて思いつくわけもなくて

ごまかす程の技量もなければ

嘘をつく気にもなれない

「あのね、夜久君・・・・お昼休み・・・・話してもいい？」

これ以上無駄に心配かけるわけにもいかないし・・・

夜久君にも失礼なことしたし

ちゃんと話して謝んなきゃ・・・