22 黒尾side ページ22
最初の出会いや
眼鏡を修理しに行った日のことをたまに思い出す
今のAはまるであの時とは別人
でもいつ見ても楽しそうでなんかホッとする
そんなこいつからの頼み事
多分俺でも
もし彼女がいても
何とかしたんじゃないかと思う
ま、いないから何とかしなくてもOKだけど・・・・・・
しゃーねーなってOKしてやろうと思った
でも俺が何か言うより先に
今まで黙ってた夜久が急に口を開いた
「俺なんも用事ねーし一緒に回ろ」
なんだ・・・
俺の出る幕ねーじゃん
「よかったじゃん^^じゃあ夜久よろしくー♪」
何かモヤモヤすんのは
多分・・・
巣立っていく子供を見送る親のような感情からだろ
俺しか頼れる奴がいないんだとか
なんかこいつのことちゃんとしてやんなきゃって
どっかで思ってたはず
曲がり角・・・
「じゃあ俺こいつ送ってくから」
今までならきっとそう言って
俺とAは同じ方に曲がって
夜久は向こうに曲がってた
だけど・・・
何となく・・・
今日はそうじゃないと思った
「夜久、学祭ついでに今日のこいつの送りも頼むわ^^」
ひらひらと手を振って
返事も待たずに俺は二人に背を向けてそのまま歩いた
あれ?
なんか俺拗ねてるやつみたいじゃなかった?
そんなことねーか・・・・・
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作者名:マリリン | 作成日時:2019年6月4日 23時