黒の恋 (ページ19)

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１９　（夜久side）ページ19

その日のAは特に注目を集めていた

皆と話すようになって

髪型とかも変わって

元々注目は浴びるようになってたけど

中にはさほど気にも留めない奴もいた

だけど眼鏡を外して

その素顔があらわになると

「なんだ、美人なんじゃん」

って皆思うのだろう

何となく男どもがソワソワしてる一日だった

「なー、中野ってあんなかわいかったっけ？」

って友達のセリフに

ジワジワと自分の中を焦りが埋め尽くしていくのがわかる

そんな中今日は年に一度の学園祭に向けての話し合いが行われた

うちのクラスはクレープ屋をすることに決まって

「買い出し誰が行くか決めろよー」

って担任が俺たちに促す

「・・・・・・・・・・・はい」

少し小さな声で手を挙げたのはAだった

担任の「あと二人くらいは必要だろ」って声に

まずすかさず手を挙げたのは

最近Aと仲がいい那奈だ。

そしていつもなら誰も手を挙げようとしないのに

クラスの男子どもがやけにソワソワとしている

きっとAが手を挙げたからだろうな・・・

そう考えるのと同時に

「はい」

俺は部活のこととかなんも考えずに手を挙げてた

担任「じゃあ、その三人頼んだぞー」

担任の言葉と男子の落胆のため息と共にホームルームが終わって

Aと那奈が俺に近づいてきて

「夜久君部活は大丈夫なの？？？」

ってAが心配そうに俺を見る

大丈夫じゃねーかもしんないけど・・・

他のやつといかれんの・・・・なんかヤだったから・・・・

なんて言えるはずもなく

「学園祭の準備だし大丈夫だろ」

って素直じゃない俺・・・・・・・

バレーだけじゃなくて恋愛も・・・もうちょいしときゃよかったな・・・