11 (あなたside) ページ11
つかまれていた所がジンジン痛い・・・
そんなすごい力でつかまれたわけじゃなかったと思うのに
ただ引きとめるためにつかまれたのに
まるで心の奥底に隠し続けた物を握りつぶされたような
そんな感覚・・・
ごめんと小さくささやく声が
やけに優しく耳に響いて
この人になら話しても大丈夫なんじゃないかとか
考えてしまう
「私・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
あー・・・・話し始めてしまった
何をどう話せばいいかもわかんないのに・・・
早く話さなきゃ・・・
でも、この人は急かすこともなく
私の次の言葉を
ただじっと待ってくれている
「・・・・・・友達は・・・・・・・いつも傷つけちゃうから・・・・・」
うまく話せない・・・
「なんか昔にあったってことか?」
そう聞かれて
やっと言葉が頭の中でうまくつながり始めて
少しずつ言葉をつなげた
中学生になってすぐのころ友達の好きな人に告白されて
断ったけどその友達を傷つけてしまって
それ以降その友達に無視され始めたこと
誰かに告白されると色気を使ってると言われて皆が自分を無視し始めたこと
最後は親友だった友達も自分を避けるようになってしまったこと
高校は少し離れたところで誰も知っている人のいないところを選んで
とにかく目立たないように過ごしてきたこと
話し終えたころには
空は赤い色がだんだん暗くなって来ていて
「な・・・・長々とつまんない話を・・・・ごめん」
申し訳ない気持ちが心を埋め尽くして
隣にしゃがむ黒尾君の顔をちょっとだけ覗き込んだ
k「なんだ、俺と同じか。www」
長ぇーよとか言われてあきれられるかと思ったのに
彼はケラケラと笑っている
k「俺も男前の上にバレー上手いもんだから、一目惚れ女子多くて大変なんだよwww」
そう言って彼は立ち上がった
「そ・・・・そうなの・・・・?」
まぁ確かにモテそうな顔と身長を持ち合わせている・・・
てかバレーやってんだ・・・
そんなことを考える私に
k「つーかお前、これは俺らが悪いんじゃねぇ。周りが嫉妬してんだ。・・・僕たちに。wwww」
そう言って彼は上から手を差し出してきた
「?????」
何の手だろうとその手を見つめていると
k「ほら、立て」
そう言ってひらひらと差し出した手を揺らす
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作者名:マリリン | 作成日時:2019年6月4日 23時