6匹のネコを拾ったら、若かりし頃の警察学校組とFBIでした。

24缶目 ページ26

『…出来た！』

チョキンと糸をハサミで切り出来上がったミサンガをテーブルに並べた。
暇を見つけて少しずつ進めていたが、ここの所執筆が忙しく最後の一本になかなか手を付けられなかった。

『…みんなが、元の世界に帰れますように。そして…どうか護って。』

6本のミサンガを握りしめ小さく呟く。
どうか…どうか…





「おっ、やっと出来上がったのかソレ！」

『うん、昨日出来上がったんだ。はい、これは陣平の』

翌朝、リビングに向かい1人1人にミサンガを渡した。
陣平は紫、零は青、航君は緑、景光は黄、研二は橙、秀一は赤のミサンガだ。

「ありがとう！Aちゃん！！」

「大事にするね。」

「何か作ってる姿は何度か見かけたがこれだったんだな。」

皆、受け取ってすぐに腕に着けていく。

「虹の色からとったのか？でも、虹は7色だろ？」

「日本では7色だが、アメリカでは6色だ。」

『うん。アメリカでは藍がないんだよね。色は迷ったんだけど、6人に送るから全部違う色の方がいいでしょ？だから、青も藍ももう一緒にしちゃえと思って。7色でも6色でも虹には変わらないしね。』

零が色について聞いてくる。
それに対して秀一が答えた事とアメリカという単語に少し目が鋭くなった。

「じゃあ、Aが藍のミサンガを着けたらいい。」

『は？なんで？』

「ここは日本だから虹は7色だ。」

『え？…うん、それは知ってるって。』

「あー、Aちゃん。ゼロはAちゃんを入れた7人で虹色のミサンガを着けたいみたい。」

「おい！ヒロ！！」

訳の分からない事を言い出した零に困惑していると、景光が訳を教えてくれた。
零は、少し顔を赤らめている。

『なんで？』

「アメリカ式の虹色が嫌だったのと、1人だけミサンガ着けてなくて仲間外れみたいなのが嫌なんだろ？…な？降谷？」

続けて航君が教えてくれた。
さすが一緒にいるだけあってよく理解してらっしゃる。

「ふむ…そういう理由なら俺も賛成だな。」

「じゃあ、Aちゃんの分は俺が作るー！！」

「降谷も意外と可愛いとかあんじゃねーか。」

「赤井と松田！とりあえず1発殴らせろ！！」

殴りかかろうとする零を景光と航君が抑え、後は笑って見ていた。



彼らが私の事を仲間だと言って私の分のミサンガを作ると言ってくれたことが何よりも嬉しかった。
あと、どれだけの時間が残されているのか分からないが、その日まで彼らと共に楽しい時間を過ごしたい。

ーーーそう願った。

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