6匹のネコを拾ったら、若かりし頃の警察学校組とFBIでした。

11缶目 ページ12

「Aちゃーん、おかえりー。」

誰だ？今、私を抱きしめている男は？
松田さんでも萩原さんでもない。
じゃあ、考えられるのは誰かが人間に戻ったってこと。
そして、私に抱きつく程に慣れているのは1匹…いや、1人しか考えられない。(ここまでの時間3秒)

『えっと…諸伏さん？』

「そうだよ！！俺、諸伏景光！よろしくね！！」

ネコじゃなくて犬の方が良かったんじゃないかと思うぐらいいい笑顔でなんなら尻尾も見える。

「も〜Aちゃん、かわいい〜小さ〜い。」

グリグリと肩に頭を押し付け更にぎゅーっと抱きしめてくる。
流石にこんなイケメンに抱きしめられ、恥ずかしくなり顔が赤くなる。

『ちょっ…諸伏さ、ん…もっ、恥ずかしい。』

「もう少しだけ〜。」

もう、勘弁してくれ。そう思った時

「諸伏！！てめぇ！！」

「諸伏！！Aちゃんから離れろ！！」

「諸伏！！確保！！」

松田さんに殴られて、萩原さんに蹴られ、あれは…伊達さん？に倒され押さえ込まれている。

『…わぁ、おわまりさんだー。』

「痛い！痛い！伊達、痛い！！」

「松田、時間！！」

「えー、18時04分」

「諸伏、いい奴だと思ってたのに…」

ドラマのような逮捕劇だ、手錠がないのが少し残念だな。
あっ、降谷さんがチベスナ顔してる…ネコなのに。
赤井さんは顔を背けている。あれは笑ってるのかな…。

『あー、ここ玄関なんでとりあえず中入りませんか？』

その言葉にみんな、はっとしゾロゾロとリビングに向かった。
諸伏さんは伊達さんに引きずられてた。
わー、地味に痛そう。






『…で、私が帰ってくるぐらいに諸伏さんと伊達さんが戻ったと。』

今はリビングで留守中の出来事を聞いている。
みんなソファに座っているが、諸伏さんは正座だ。
背中には松田さんが書いた反省中という紙を貼っており、目の前には降谷さんが座って監視している。

「諸伏が戻ったと思ったら、Aが帰ってきて、諸伏は玄関に走って行くし、追いかけようとしたら萩原の上に乗って寝てた伊達が戻って、萩原が死にかけるしで大変だった…。」

「あれは俺、死んだと思った。」

「すまん。萩原。」

『カオス。』

ちなみにこの間、赤井さんは私の膝の上で寝ている。
ホント自由だなこの人…。

『…お腹空いたから、ご飯にしよ。できるまで諸伏さんはそのままね。』

「任せろ、嬢ちゃんしっかり見張っとくぜ。」

『伊達さん、お願いします。』

さすがパパだ。

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