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組織に入って早数ヶ月。日本。
神無はギムレットとして着実に任務を行なっていた。
しかし、神無と共に任務をするのはベルモット、ジン以外にいたい為、他の人間はギムレットがどんな人物なのか知らなかった。
しかし、シェリーこと宮野志保だけはギムレットのことを知っていた。組織が開発している薬がなんなのか知る為にラボを訪れた際にで出会い、今では一緒にお茶をする仲になった。
楽しかった。お茶をして美味しくケーキを食べて、流行りの話しをして…とにかく志保といる時間が神無は好きだった。忘れていた感情が戻ってくるようだった。どうやら志保には、姉がいるらしい。名前は明美。写真を見せて貰ったが明るくそうな女性だった。自分とは正反対…そんなことを思った。そして、組織の諸星大と付き合っているらしい。志保は姉がとられたりのが嫌なのか少し膨れていた…かわいい。
そんな話しをした数日後、新しい任務が入った。
今回ペアを組むのは諸星大だった。最近コードネームをもらいライと呼ばれるようになった。彼は頭も良く戦闘スキルも良いらしい。その中でも射撃に関しては彼の右に出るものはいないと言われるほどの腕だった。
『はじめまして、ギムレットです。』
そう、待ち合わせ場所にいた彼に声をかけた。
ラ「…あぁ、俺はライだ。」
振り返り彼は答えた。
その顔にはどこか見覚えがあった…誰だっけ?
そんなことを考えつつ任務の段取りの確認をする。
今回の任務は組織の情報を盗んで逃走した仲間の処分だった。敵の人数は2人。私が相手と交渉中にライが狙撃するというものだった。
盗まれた情報はギムレットの手によって事前にすり替えられたデマではあるが、ジンは裏切り者には容赦がない。ただ自分も任務で忙しい為、手の空いていたギムレットとライが行うことになったのだ。
その日の夜、廃墟と化した工場で任務は行われた。
目の前には先程会話をしていた男が2人、頭を撃ち抜かれ死んでいた。
人が撃ち殺される瞬間は何度見ても慣れない。
飛び散る赤が家族を殺されときと重なった。
気持ち悪い…早く立ち去ろうと振り返ると震えながら銃口をこちらに向けた女がいた。
油断した。敵は3人だったのだ。
「よくも…よくも!!うわぁぁぁぁぁーーーーー!!!!」
叫びながら引き金を引いた。
狙いの定まっていない弾丸が次々飛び出す。
避ける際に左腕を撃たれてしまった。
弾丸の雨は鳴り止まない…
パーーン
最後に見えたのは頭を撃ち抜かれた女の赤だった。
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作者名:クロム | 作成日時:2020年9月8日 23時