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ポインセチア #37 ページ38

月島くんが呼んだ最後の言葉、名前は龍だった。
嘘でしょ…今会いたくないのに!
僕は苦しい呼吸のまま、逃げるようによろけながら立ち上がって、奥に行こうとすると体の重心がぐんっと後ろに行く。
「づ、きしま、く…」
僕の腕を月島くんが引っ張って掴んでるようだった。
どうして、言外で月島くんに訴えると月島くんは鋭く睨んできた。
「先輩。これじゃ、ずっと苦しいままですよ!」
分かってる。
「あんただけじゃない!大地さんだって、田中さんだって!同じくらい苦しんでる!!」
迷惑を掛けてしまってることは知ってる。
暗闇の中で、月島くんの金の瞳が強く強く光った。
口から花が溢れるのが止まった。
「…分かってる。全部…」
涙が出る。
その涙は多分、さっきと同じような苦しみじゃなくて、悲しみと、切なさからの涙。
「分かってるんだよ、大地が陰で僕の名前を呼びながら咽び泣いてたことも」
発作が起きる度に、抱き締めてくれた大地が悲しそうに、僕が龍の名前を呼ぶのと同じ…心底愛おしそうな者を呼ぶ声で、泣いていたことも。
「龍の体温が暖かくて優しいことも…全部…!」
龍が、何も知らないままに撫でてくる手が、声が優しいことも。
目の奥が痛い。
きっと僕の顔はボロボロだ。
切なくて堪らない。龍が恋しい。

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まひまひ=イヴ - 号泣です!すっごくすっごく泣ける小説ですね!しかも田中先輩の!BLですし!私の好みドストライクです!更新応援してます! (2018年3月5日 1時) (レス) id: 3dd76b4fff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊達狐 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年8月16日 10時

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