スズラン #3 ページ4
「はい。どうぞ。」
「おう!あんがと兄さん!」
「龍之介…兄さんっていうのやめようよ。僕恥ずかしいよ。」
兄さんの方を向いてそう言えば、兄さんは別格恥ずかしい顔もしないまま淡々といった。
「あらぁ?思春期ぃ?お母さん悲しいわぁ」
オホホッとからかうと、微笑みながら
「僕、龍之介に育てられてないし。」
そう言った。そう微笑みはまるで、まるで…
「女神やぁ…」
「え、ちょっ、龍。な、泣かないでよ。」
ジョリジョリと俺の頭を撫でるその手は柔らかくてあったかい。キラキラしてる兄さんは昔から変わらない。
「おい田中ぁ、あんまりAを苛めんなよー」
大地さんが兄さんの頭をポフポフしている。
「だ、大地…」
「ん?」
「恥ずかしいって言ってるでしょ?髪の毛もさもさになるし!」
あ、顔が赤い。
俺の時はそうならなかったのに。
大地さんには顔が赤くなるのか。俺は所詮弟とかそっちのほうの扱いか…
そう思いながらも、俺は大地さんを睨むと、大地さんはふふんと鼻で笑った。
「くっそぉ…」
「え?」
「何でもねぇよ!」
はい!あんがと!とタオルとドリンクの容器を無理矢理返すと、ボールを持って練習に戻った。モヤモヤする。イライラする。
何だって俺がこんな気持ちになってんだ。
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まひまひ=イヴ - 号泣です!すっごくすっごく泣ける小説ですね!しかも田中先輩の!BLですし!私の好みドストライクです!更新応援してます! (2018年3月5日 1時) (レス) id: 3dd76b4fff (このIDを非表示/違反報告)
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