【○○○&男主】親戚のお兄さん【田中龍之介】 (ページ21)

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リンドウ＃２０ページ21

「うわぁ、真っ赤じゃない…」
ノヤの腕を見ると、リベロのため避けられないことなのだがレシーブによって赤くなっている。
…まぁ、それもそうだろうな。今日は旭のボールとか、日向くんのボールを拾っていたから。労わるように撫でてやれば、その小柄な体はピクリと動いて逃げようとする。
その腕を掴んで
「こら。逃げるな。」
そう制すると
「こんなん平気っす！」
痛いだろうに、練習したいがためにそこまで…いや。僕も知っている。練習をしたいのに止められてしまうもどかしさを。
「大丈夫。冷やすだけだから。」
肩から下げたエナメルの中から冷却スプレー取り出して上下に振る。
…僕は掌を冷やしていたっけな。
「ちょっと我慢してね。」
スプレーを、腕に吹きかけてやると冷たさに顔を少しだけ歪めたノヤ。
「…こんなもんかな。うん。赤みも少しだけど引いたね。」
「…うす。」
「練習熱心なのは良いけど、やり過ぎは駄目だからね。」
「うす！」
じゃあ、やっておいで。と腕から手を離すとノヤは颯爽と練習してに戻っていった。
元気だなあと思って見ていると、
「田中！」
龍の名前を強く呼ぶスガの声が聞こえた。
区切りをつけるためのネットの向こう側。
指を押さえて、顔を顰める龍がいた。