ブラッディマリー ページ8
「柏木！？」
「平気、です…」
大量の夥しい汗の粒と荒く浅い息を吐き出している時点で平気では無い。
殴られた頬は赤く腫れ上がり、熱を帯び始めている。
「とりあえず、人いねぇとこ…！」
ここでは、野次馬が湧いてきてしまう。
こいつが見世物にされんのは腹が立つ。
それに、殉情ではない体の震えを収めてやるには、静かで誰もいないところがいいだろう。
そんな場所はないかと、マスターに問うと
「バックヤードに連れて行ってあげてください」
穏やかな瞳でそう告げられる。
「ま、マスター…私は大丈夫です、から…」
必死に立ち上がろうとしているが、上手く立てていない。
「立てないのに何言ってるの。大人しく運ばれなさい。」
「…っ」
恥ずかしいのか、口をきゅっと引き結び、顔を赤らめた。
「お願いできますか？」
「…あぁ。」
細く白い柏木の腕を引っ掴み、自分の肩に回し、脇腹に手を置き、引き寄せる。
「すいません…」
「気にすんな。」
そう言って店の奥に入っていく。
バックヤードには少し小ぶりのソファが置いてあった。
そこにゆっくりと座らせる。
「あ、ありがとうございます。」
にへらと力なく笑った柏木はどこか弱々しい。
「別に大したことしてねぇよ。」
そう言って俺は救急箱を探した。
わかりやすく、置いてあった救急箱は、案外親切に道具は一通り揃っていた。
「おら、口開けろ。」
そう言うと柏木は、わかりやすく体を強張らせた。
「い、いえ…そこまでしなくても…」
首を横に振り遠慮をする柏木。
もしかしたら口の中が切れてるのかもしれないのに。
「開けねぇなら、無理やり開けんぞ。」
と少し乱暴に言って、ソファに横になっている柏木に馬乗りする。
「わ、わかりました。わかったので乗っからないでください」
柏木は、顔を赤くして視線を泳がせながらそう言った。
わかりやすくて助かる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
伊達狐@活動停止(プロフ) - 燐さん» ご指摘ありがとうございます。変換ミスのようですね…（汗）申し訳ありません。直させていただきます！ (2018年2月17日 19時) (
レス) id: d530d2d8e8 (このIDを非表示/違反報告)
燐 - 中村祐一じゃなくて中村悠一さんじゃないですか？ (2018年2月16日 18時) (レス) id: 0efc3643a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
