アプリコットフィズ 〜fin〜 ページ31
土方歳三side
それは低く、高く、朗々と歌うように。
吹き込まれた楽器からは、まるで歓喜に震えているような音が聴こえる。
しかし、吹いている時の顔が何処か切なそうで、今にも頽れてしまいそうだ。
触れたくなる。が、今は触れられない。
それは桜の花びらがひらりひらりと舞っているような。
静かに、美しく。
「…」
ふうっと曲が終わったらしく、溜息にも似た息を吐いてから、黒い楽器を降ろした。
その顔は、何処かすっきりとした感じだ。
「…」
なにか、反応を待つようなソワソワとした感じ。
口元が緩んでるのが分かった。
そして近くに座って、そのフワフワとした短い髪の毛に触れる。
するりとそのまま、オッドアイの瞳の縁を彩る長い睫毛を携えた瞼に触る。
「と、歳三さん…」
どうしたの、そう言うようにその瞳はゆらゆらと揺らめいている。
恥ずかしくなるくらい、好きなんだなぁと実感するともう、歯止めが利かなくなるくらい感情が溢れてくる。
「好きだ、好きなんだ。A。」
「歳三さん…！」
ポポポッと頬が赤くなっている。
可愛い。
あぁ、駄目だ。今俺はこいつを抱き締めたくてたまらない。
その細っこい体を抱きしめると、それに応えるように腕を回してくる。
「…」
お互いの瞳を見つめ合う。そしてそのまま唇を寄せ合った。
その後にAが俺に振舞ってくれたカクテルはアプリコットフィズ。
爽やかな味のカクテルに、舌鼓をうつと奴はにっこりと笑って、そのカクテルの言葉をいった。
アプリコットフィズのカクテル言葉は
「振り向いてください」
〜fin〜
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伊達狐@活動停止(プロフ) - 燐さん» ご指摘ありがとうございます。変換ミスのようですね…（汗）申し訳ありません。直させていただきます！ (2018年2月17日 19時) (
レス) id: d530d2d8e8 (このIDを非表示/違反報告)
燐 - 中村祐一じゃなくて中村悠一さんじゃないですか？ (2018年2月16日 18時) (レス) id: 0efc3643a8 (このIDを非表示/違反報告)
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