メアリー・ピックホード ページ24
「待ってろよ、今茶持ってくる。」
そう言って立とうとすると
「！」
まるで怯えた子犬のように見上げてくる瞳と、震えた肩と指先。
「す、すいません…土方さんがい、居ないので誰かが側に居ないとこ、怖くて」
自分でも困惑しているようだ。
薄っすらと涙が浮かぶ瞳が俺を見つめてくる。
おいおい…それは、不味いんじゃねぇのか？
土方さんはタダでさえ嫉妬深いんだからよ。
「…す、すいません。」
「いや、大丈夫だ。それじゃ、暫くは辛いだろうな。」
軽くクシャクシャと髪を乱すように頭を撫でる。
頼ってくれるのは有難いし、嬉しいことだ。
だけどな、A。
ちゃんと俺のことも見てくんねぇか。
お前が最初で最後の男で好きになったやつなんだ。
土方さんだけしか見ていない瞳で俺のことも見てくれよ。
俺の気持ちに気付いていないからなのだろうな。
繊細な癖して、変なとこは鈍いんだからな。
苦しい想いが行き場を無くして悶えてる。
俺はずっと、このままなのだろうか。
せめて終わるのなら
「…こんな状況で言うのもアレだけどよ。」
「はい…？」
あの時のように潔く
「俺は」
散りたい。
「お前が好きだ」
そう言った直後、時間がゆっくりと、スローモーションになった気がした。
Aは、驚いたように目を瞬きさせた。
苦しくて、辛くて実りはしない、未熟な果実。
どうか、食べてくれなくていい。愛さなくてもいい。
せめて、受け取って、飾ってくれたらおれは満足だ。
だから、俺に最後のチャンスを下さい。
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伊達狐@活動停止(プロフ) - 燐さん» ご指摘ありがとうございます。変換ミスのようですね…（汗）申し訳ありません。直させていただきます！ (2018年2月17日 19時) (
レス) id: d530d2d8e8 (このIDを非表示/違反報告)
燐 - 中村祐一じゃなくて中村悠一さんじゃないですか？ (2018年2月16日 18時) (レス) id: 0efc3643a8 (このIDを非表示/違反報告)
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