23.僕が相手だ ★ ページ24
「バット持ってこい！！」
武道の言葉に挑発されたのか、キヨマサは仲間の誰かにそう伝えた。
「上等だ、殺してやるよ」
流石にこのままだと武道は殺される。
そんなこと僕がさせてやるものか！！
そう思ったら、自然と身体が動いていた。
「いくらタイマンでもそれはないんじゃない？
それでも君、男なのか？」
キヨマサに僕はそう言いながら、武道の方まで歩いていった。
「ミコトさん！！」
「ミコトちゃん、なんで……」
「え、誰アイツ……」
「花垣の知り合い？」
ギャラリーは全員、僕の方を凝視していた。
「なんだテメェ……」
「これってタイマンなんだろ？なのにバット使って、それでも男なのかって聞いてるんだけど」
「うるせぇ！！部外者は引っ込んでろ！！」
「はいそうですか、わかりました。って引き下がると思うかい？弟が殺されるかもしれないってのにさ」
「弟……？なるほど…テメェ、花垣の兄貴か……丁度いい……テメェもオレの奴 隷にしてやるよ！！」
コイツ僕のこと、男だって勘違いしてるね。
あ、そうだ今男装中だった。忘れてた。
「じゃあまずは僕に勝ってからにしてくれないかな？まぁ、僕が道具に頼るヒキョーモノには負けるとは思えないけどね」
「テメェ……！！」
僕の言葉でキレたであろうキヨマサがバットを振り上げてきた。
僕はそれをなんなく避けて、こめかみに向かってハイキックをかました。
勿論、手加減してだけど。
「あがっ……」
僕に蹴りを入れられてキヨマサが倒れたことに周囲は驚いたようで、一同シーン……となってしまった。
「きっ……キヨマサ君！！」
「キヨマサ！！！！」
ギャラリーからは「なんだアイツ！？」「あんなのいたのか！？」「強ぇ……！！」など声を上げていた。
「手加減したから、気を失うほどじゃないはずだ。立ちなさい」
「……くっ……て、テメェ……」
キヨマサが立ち上がって、僕に向かってバットで殴ろうとした時、どこからか声が聞こえてきた。
「オイ、キヨマサー」
「あ？なんだ……あ……！」
「客が引いてんぞー」
その声の主は、長身で金の辮髪にこめかみのところに龍のタトゥーが入っていた。
誰なんだ？
そして後ろにも誰かいる……
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作者名：くろっきー | 作成日時：2021年10月16日 13時
