13.無理だ ページ14
「あ、無理ならいいんスけど」
「バット持ってこい」
キヨマサくんはバットを手に取るとオレを殴りつけた。
何度も何度も。
オレは必死で耐えていた。
ボロボロになり、いつの間にか気を失ってしまう。
「オラ。起きろ花垣!」
腹を蹴られながら起こされた。
目を覚まし目の前にはキヨマサくんの顔があって。
「うっ」
「次、テメーの口から佐野君の名前出てきたら…
わかってんな?
殺すぞ」
怖えぇえぇえ!!
なんだよコイツ!?
会話になってねぇじゃん!!
無理じゃん!
会えねぇじゃん!!
名前出したら殺すって
ホントに死んじゃうよ!!?
コイツ本当に中学生かよ!!?
東京卍會のトップと接触!!?
奴 隷みてぇなオレが!!?
「無理だ!!!!無理だよナオトぉお!!」
そんなこと思いながらひたすら走っていった。
逃げるように。
……そうだ、忘れてた。
完全に忘れてた。
“オレ”は“オレ”だ。
2度目の人生でも、ダメなやつはダメなんだよ。
……帰ろう。
自分の身に起きた現実に、挫けてしまい
そういや、どうやったら帰れるんだ?
……そうだ、ナオトが言ってた。
握手が“
そう思ったら、ナオトに会うために橘の家まで歩いていった。
橘の家の前に着き、インターフォンを鳴らしても誰も応答しなかった。
……あれ?留守かな……
絶対ナオトなんだ。
ナオトと握手さえすれば、
『君にしか2人は救えない』
未来のナオトの顔がよぎった。
……またオレは逃げんのか?
橘を救うと決めたのに。
何もやらずに逃げてしまうのか?
そんなことを考えながらドアの前に突っ立っていると。
「花垣くん?」
「橘!?なんで?」
橘がこちらの方へやってきた。
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作者名:くろっきー | 作成日時:2021年10月16日 13時