12.喧嘩賭博 ページ13
───────ドクン。
「しゃぁあぁあぁあ!!いくぞオラァア!!」
「あれ?ナオトは?」
気づけば外にいて、目の前にはイキっているようにも見える気合で叫んでいるヤンキー。
周りを見渡せば、ヤンキー共が大勢で囲んでいた。
イキナリの状況でついていけてないオレ。
「はっ!?え?……え?」
「花垣ィ、テメーに1000円賭けてんだぞ!!」
「えええ!!何?この状況!!!?
ちょっと待て!!」
今の日付や時刻を確かめたくて、ポケットからケータイを取り出して確認していく。
2005年7月6日!?
12年前の今日だ!!ナオトの言った通りだ!!
うそだろぉお
「うあああああああああああ」
「ちょ、ちょっ……」
ちょっと待って、と言おうとしたらお構い無しに顔面にパンチを食らってしまった。
……ホントに、タイムリープしちゃったんだ。
「はっ!?」
オレは殴られて気絶してたのか?
目の前には怖い不良たちが。
「オーイ花垣起きたぞー」
「テメー、ワンパンでのされてんじゃねーよボケ。
みんな金賭けてんだぞ」
「ショボい試合見せてんじゃねーよ」
……試合?
「なぁ?キヨマサ」
「…………」
額の傷、渋谷三中のトップ。
「ギャラリー集まんなくなったら、この喧嘩賭博も終わりだ」
喧嘩賭博!?
そっか……
さっきのは金を賭けた喧嘩……
思い出してきた。
キヨマサの一言で、オレはボコボコにされていった。
少しでもダメージを受けまいと、カメのように丸くなっていた。
無理矢理 喧嘩させられて
ヤキ入れられて、毎日…毎日…生き地獄だった。
だから逃げた。
友達も、彼女だった橘も捨てて。
「
オレは去りゆくキヨマサたちに声をかけた。
「あの……」
「なんだよ花垣、まだ起きてたの?しぶてーな」
「えっと……キヨマサくん達って東京卍會っスよね?
オレ、トップの佐野って人か稀咲って人に会いたいんスけど……なんとかならないかなー?なんて」
ダメ元で聞いてみた。
もしかしたら、会えるかなって甘い考えで。
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作者名:くろっきー | 作成日時:2021年10月16日 13時