10.能力と見解 ページ11
「タイムリープ、この君の“能力”についてボクなりの“見解”がある」
ナオトはぶっ飛んでいる。
「まず君は2017年7月4日から2005年7月4日にタイムリープした。つまり君の能力は、12年前の“同じ日”に戻るというものだとわかります」
……相当ぶっ飛んでる。
そしてオレは2日間、ナオトの部屋に監 禁されて東京卍會に関する資料を見せられていた。
なのでほぼ寝ていない。眠い。めっちゃ眠い。
ナオトはオレを殺す気だ。
「東京卍會について、できるだけ頭に詰め込んでください」
そんな事言われても、脳ミソちっちゃいオレにはあまりにも情報量が多すぎだ。
資料によると、
2017年7月1日、“橘 日向”と“花垣 美琴”は犯罪組織“東京卍會”の抗争に巻き込まれ“死亡”した。
祭りの最中、屋台を狙ってトラックが突っ込み、巻き込まれたんだ。
橘と姉ちゃんは26歳だった。
オレはこの“東京卍會”についての知識をナオトに叩き込まれていた。
「これ、橘と姉ちゃん救うために必要なの?」
ナオトは組織犯罪課の刑事だ。
内部事情はよく知っている。
「君の能力に問題があるとすれば、1つ!
“12年前の今日”にしか行けないということ」
「それはお前の見解だろ?
第一、過去に戻れるかどーかも……」
「姉と美琴さんが死んだ日に戻り!2人が祭りに行くのを無理矢理にでも止めれば、2人を救うことができる!」
「ちょっと待ってくれ、ナオト」
「あと12……え、なんですか?」
「12年前にお前にタイムリープのことを話した時、姉ちゃんもいた。姉ちゃんもあの話を信じてくれてたよな!?でもそれでも姉ちゃんと橘は死んでいる……」
「実は、亡くなった日……ボクは2人を止めました。でも姉はボクの言うことを聞かずに……美琴さんは最初、姉さんの身代わりになったんです。トラックが突っ込むとき、姉さんを守るように突き飛ばし、先に亡くなってしまった……。その後です、もう1台トラックが突っ込んで、それに姉が巻き込まれました」
「そう、なんだ……姉ちゃん……橘のこと守ってたんだな…」
「えぇ……そして美琴さんは、亡くなる前日にボクにこう言いました。『もし、僕が死んだ場合……弟を……武道を助けてやってくれないか?』……と」
その言葉を聞いて、姉ちゃんは本当は自分でオレのことを救いたかったんだとわかった。
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作者名:くろっきー | 作成日時:2021年10月16日 13時