Past.【月永レオ】 (ページ9)

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なんというか、姿が…若い。
見た目あまり変わらないと思ってたけど、全然違う。成長してる。心なしか、身長も小さい気がした。それでも、私よりは高いんだけど。

「A？」

「っ、あ…ご、ごめん、レオ」

考え事をしていて黙ったままの私のことを不審に思ったのか、顔を覗き込んで来たレオに対して、私は少しびっくりしてしまった。
調子が狂う。レオとは一緒に住んでたわけだし、顔を見て恥ずかしくなるとかは付き合いたてのカップルじゃないんだからないはずなのに、何故か顔が見れない。

ふぅ、と息を吐き、彼のことを見る。すると彼は顔を真っ赤にしていて、私と目があった瞬間、すぐに目を逸らした。

「…レオ？」

何が起こった？今の会話に何か変なところあった？
気まずい雰囲気になり、視線を下にやる。

「…あ、」

そのときふと、気付いた。
このときの、高校三年生のときの私は…レオのことを、なんて呼んでたっけ？
これから頑張って、うまくやっていこうかと思ったのに。
怪しまれて、しまったかもしれない。

「…ご、ごめんね、『月永くん』…」

あは、と乾いた笑いが出る。
この呼び方をするのは、何年振りか。こっちの方が慣れないなんて、高校生の私に言ったって信じてもらえないだろう。

レオの言葉を待ち、その言葉を聞く前に、ちょうど、チャイムが鳴ってしまって…
結局、真意のほどはわからなかった。