月見れば ページ23
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夜になり、皆で縁側へ出る。
「美味しいね〜!!伯母様って料理上手!!」
団子を片手に真由香様が月に手を翳す。
月に照らされたその顔は隣のみやことそっくりだった。
本当の親子と言っても疑われないだろう。
『あら...有難う。また作りましょうか?』
「え?良いの!!」
『えぇ。』
真由香様とそっくりな顔のみやこ。
一つだけ違うのは顔が全て紫に爛れていた。
もう呪いを解呪する事すら不可能だとみやこの叔父上も仰っていたが...
最近、寿命が伸びたと言われた。
妹君のお陰だろう。
その事もあって真由香様の事を大切になさる。
『今度、紅葉見に行こうか!!』
「うん!!」
「もう寝てしまったか?」
『えぇ。』
私の膝の上に頭を乗せ、可愛らしい寝息を立てるこのみの子供。
私はあと数ヶ月でこの子やお腹の子、杏寿郎を置いて逝かなければならないのだ。
もし数年生きられても大人になるのを待つ事は無理だろう。
怖くて怖くて仕方無かった。
楽しくしていないと、明るくしないと泣いてしまいそう。
でも、今は無理かもしれない。
『怖い。怖いの。死ぬのが。もう会えないの。怖くて怖くて仕方無くて。やっと幸せになれたのにもう杏寿郎と会えなくなっちゃうの。怖いの...』
私はこの涙の止め方を知らない。
いつも誰かが拭ってばっか。
誰かに頼らないと生きていけない。私の生まれた意味って何?分からない。
『誰かに頼らないと生きてけないし、居る意味すら分かんなくて。』
「...何の為に俺が居る?」
杏寿郎は私の頭を撫でながら涙を拭う。
「君の居る意味になれたらな...」
杏寿郎はハハハッと嘲笑を浮かべる。
『...そうだよね...ごめんね...』
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