君がため惜しからざりし命さへ【煉獄杏寿郎】 (ページ12)

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天つ風ページ12

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「こんにちは、みやこ様。」

『宇髄様、ようこそ煉獄邸に。何の御用で御座いましょう?』

銀髪の美丈夫、基、元・音柱宇髄天元様である。

どうやら結婚祝い、懐妊祝いに来たようだった。

杏寿郎は今は応接間。そこまでご案内させてもらう。

「...ご結婚、ご懐妊おめでとう御座います。」

黙って着いてきていた宇髄様が口を開く。

『有難う御座います。雛鶴夫人もご懐妊おめでとう御座います。』

「有難う御座います。」

『遊郭の事など色々巻き込んでしまってすみません。』

「いえ、私達に出来る事はこれくらいなので...産屋敷家の宿願を叶えるお手伝いが出来て良かったです。」

私の方こそお父様の無茶によく付き合ってくれたと思っている。

正直、娘の私からしても無茶であるのは目に見えている。

そんな父に夫婦共々付き合ってくれた宇髄様はとても凄いと思う。

『鬼殺隊の皆様は凄いと思いますよ、私には真似できたものではありません。ずっと傍観しているだけで真申し訳ないです。』

「大丈夫です。貴方方ご家族が居るだけで精神的に助かった。それに忍の里を上手く抜け出せたのは貴方方のお陰だ。」

宇髄様は有難そうに言った。

お父様はなかなか凄いのだろう。

『有難う御座います。着きましたよ。少しお待ち下さい。』

中にいる杏寿郎から入ってくれと言われる。