05 ページ6
部活が終わる頃には外はすっかり暗くなっている。
制服に着替えて更衣室を出ると、
黒尾が校門に背を預けて立っていた。
『黒尾』
名前を呼ぶと黒尾はポケットに手を突っ込んだままこっちを見た。
「おー。帰ろうぜ」
私は徒歩通で、黒尾は電車通。
部活で帰りが遅くなる日は
黒尾がいつも家まで送ってくれる。
わざわざ私を送ってからなんて遠回りなのに。
時間も遅くなるのに。
と、最初の頃に一度だけ言ったことがある。
『ねぇ黒尾』
歩き出した黒尾を呼び止めると、「ん?」と不思議そうに振り向いた。
『前も言ったけど、私のこと送ってから駅行くの面倒でしょ?私ひとりでも大丈夫だよ?』
「まだそんなこと考えてんの?面倒だと思ってたらこんなことしねーし、俺がしたくてしてんだよ」
いつものように笑ってそう言う。
前も同じこと言われたっけ。
『……送ってくれるのは嬉しい』
「なら送られときなさいな」
『黒尾いい奴。彼女になってあげようか?』
「はいはいありがとねー」
『あっ私モテるんだからね!?』
「知ってまーす。昨日もサッカー部の主将くんに告られてたの知ってまーす」
『なんで知ってんの!?』
「海が言ってた。クラスの奴が騒いでたって」
.
1308人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りんごあめ(プロフ) - MARTYさん» ありがとうございます!!キュンキュンしていただけたなら嬉しい限りです☺️ (4月4日 17時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 黒尾ファンさん» いつも応援ありがとうございます!!作者もWデートの話気に入っております☺️ (4月4日 17時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
MARTY - キュン死しそうでした!最高でした!!!!!! (4月4日 9時) (レス) @page48 id: 27d32145c9 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - この作品が最高すぎて、わぁってなっちゃった。この作品大好きやわぁって今日もう一度思いながら読ませてもろうたんやけど、Wデートがきゃってなってもうて心臓がもちまへん、さいこうすぎまへんか!!これからもごっつい応援しとるけん頑張ってください!!!😄 (3月29日 22時) (レス) @page48 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 黒尾ファンさん» 何度も読んでいただいてありがとうございます!!すごく嬉しいです💓 (3月29日 19時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りんごあめ | 作成日時:2024年3月16日 17時