番外編*ネコとヘビのWデート ページ48
何がどうしてこうなったのか。
今、俺の隣には戸美の大将がいる。
意味わかんねぇ。
向こうも同じことを思っているのか、ものすごい顔でこっちを見ている。
そして俺らの前を歩くのは、仲良く楽しそうにお喋りしているAと美華ちゃん。
そう、これは所謂ダブルデートだ。
なんかいつのまにかAが美華ちゃんと約束してたみたいで、なんで俺が大将と一緒に休みを過ごさなきゃいけないんだ?と思ってる。
でも目の前の楽しそうなAの顔を見るとそんなこと口が裂けても言えないわけで。
「なぁ大将」
「なんだよ」
「お前の言いたいことはよーーーくわかる。が、しかし。俺たちのかわいい彼女があんなに楽しそうにしている」
「…そうだな」
「ここは一時休戦といきますか」
不服そうだがどうやら納得はしているらしい。
大将も彼女のこと大事に想ってんだなぁ。
「てかいつのまにヨリ戻したんだよ。フラれたんじゃなかったんですかー?」
「フラれてねーよいいだろ別に!つかお前こそいつのまに音駒のマネと付き合ってんだよ、なんだよその展開ムカつくわ!」
「まぁいろいろありましてね」
俺に向かってすげー顔してた大将だったけど、美華ちゃんに「優くん」と名前を呼ばれれば一瞬で笑顔になる。…ヘビがネコをかぶっている。
Aはそんな美華ちゃんと大将を見たあと、俺の方を振り向いてじっと見つめてきた。なんだ?
『鉄朗くん』
「ぐっ...!!!!」
ふわっと笑って俺の名前を呼ぶA。初めて下の名前で呼ばれた。待て待て待てまじでしぬ。何その破壊力。
『黒尾もこっちの方が嬉しい?』
「すっげー嬉しいけど俺生きてられるかな…」
『よし、今日は鉄朗くんでいこう』
「Aさん俺の話聞いてます?」
Aは可笑しそうに笑ってまた美華ちゃんとお喋りを始めた。ため息出る、かわいすぎて。
するとAと美華ちゃんはパッと俺らを振り返って
『鉄朗くん』
「優くん」
『「楽しいね!!」』
と、キラキラの笑顔で言ってきた。
それを見て隣の大将と顔を見合わせる。
「……大将」
「お前の言いたいことはわかる、黒尾」
「俺たちってさ、」
「「すげー幸せ者だよな」」
珍しく大将と意気投合した日だった。
fin.
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りんごあめ(プロフ) - MARTYさん» ありがとうございます!!キュンキュンしていただけたなら嬉しい限りです☺️ (4月4日 17時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 黒尾ファンさん» いつも応援ありがとうございます!!作者もWデートの話気に入っております☺️ (4月4日 17時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
MARTY - キュン死しそうでした!最高でした!!!!!! (4月4日 9時) (レス) @page48 id: 27d32145c9 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - この作品が最高すぎて、わぁってなっちゃった。この作品大好きやわぁって今日もう一度思いながら読ませてもろうたんやけど、Wデートがきゃってなってもうて心臓がもちまへん、さいこうすぎまへんか!!これからもごっつい応援しとるけん頑張ってください!!!😄 (3月29日 22時) (レス) @page48 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 黒尾ファンさん» 何度も読んでいただいてありがとうございます!!すごく嬉しいです💓 (3月29日 19時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごあめ | 作成日時:2024年3月16日 17時