番外編*赤葦くんは要注意人物 ページ47
梟谷グループの合宿には赤葦くんがいる。
そう、Aのお気に入りの赤葦くんだ。
助けてくれたから懐いた、動物的本能みたいなもんだろって夜久は言ってたけど。
あの瞬間は俺も見ていた。コート内で練習試合をしている最中に聞こえた「危ない!!」の声。ボールを弾く音。見れば、赤葦くんに守ってもらったAの姿。
あのときのAの顔はキュンって効果音が聞こえてきそうな顔だった。それからAは合同合宿があるたびに赤葦くんに話しかけるようになって、正直すげー焦ったな。
「あの、黒尾さん。圧がすごいです」
Aと赤葦くんが話しているのを見ていたら、赤葦くんに言われた。Aはコーチに呼ばれて今は向こうで話している。
「あーごめんね気にしないでー」
「付き合ってるんですよね?ならもう俺にそんな圧向けなくてもいいのでは」
「いや別に赤葦くんにAを取られるとか思ってるわけじゃないのよ。赤葦くんに懐いてるAがかわいくて見てるだけ」
「…そうですか」
「今絶対めんどくさい人だって思ったよね」
「そういう人には慣れてるんで大丈夫です」
まぁ木兎の隣にいればそうなるか。
じゃなくてそこは否定しようよ赤葦くん!?
とか思ってるとAが戻ってきた。
『どしたの黒尾』
「赤葦くんはすごいよねって話してた」
『わかる!!赤葦くんほんとすごいよね!!さっきの試合も木兎へのトス綺麗すぎて目で追っちゃった!!』
話をごまかしたはずが、Aに赤葦くんのすごさを熱弁されるという事態になってしまった。完全に自爆した。赤葦くんは「ありがとうございます」って素直にお礼言ってるし。
赤葦くんと別れたあと、Aが俺の顔を覗き込む。
『なんか元気ない?』
「いーや大丈夫デス」
『ならいいんだけど…。あ、そうだこれ』
Aが手に持っていたそれを俺の頬にぴたっと当ててきた。
「保冷剤?」
『うん、凍らせても柔らかいままなの』
「つめてー」
『もうすぐ10月なのにまだまだ暑いもんね。気持ちいい?』
「...気持ちいい、デス」
笑ってそう聞いてくるA。保冷剤を当ててくれる手に俺の手を重ねると、少し照れたような表情を見せてくれる。
これはたぶん、赤葦くんには見せなくて
俺だけに見せてくれる顔。
fin.
番外編*ネコとヘビのWデート→←番外編*黒尾の告白!徹底分析
1309人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りんごあめ(プロフ) - MARTYさん» ありがとうございます!!キュンキュンしていただけたなら嬉しい限りです☺️ (4月4日 17時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 黒尾ファンさん» いつも応援ありがとうございます!!作者もWデートの話気に入っております☺️ (4月4日 17時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
MARTY - キュン死しそうでした!最高でした!!!!!! (4月4日 9時) (レス) @page48 id: 27d32145c9 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - この作品が最高すぎて、わぁってなっちゃった。この作品大好きやわぁって今日もう一度思いながら読ませてもろうたんやけど、Wデートがきゃってなってもうて心臓がもちまへん、さいこうすぎまへんか!!これからもごっつい応援しとるけん頑張ってください!!!😄 (3月29日 22時) (レス) @page48 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 黒尾ファンさん» 何度も読んでいただいてありがとうございます!!すごく嬉しいです💓 (3月29日 19時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りんごあめ | 作成日時:2024年3月16日 17時