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日向が走って行くのを見ていると
黒尾が私の頭をくしゃっと撫でた。
「腹減ったなー」
『黒尾ってほんと面倒見いいよね』
「なに、急に」
ふ、と笑った黒尾の顔を見たとき心臓がうるさいくらいドキドキしているのがわかった。どうして今までこの気持ちに気付かなかったのか不思議なくらい。
「そういえばこっち来てからAが迷子になってんの見てないけどまじで毎日部屋帰れてんの?」
『初日だけ迷ったけどね』
「ぶは、やっぱり迷ってんじゃん。どうやって帰ったんだよ」
『あー…赤葦くんが』
そこまで言いかけてなんとなく口を閉ざす。
だけど勘がいい黒尾はすぐに察したみたいで
「へぇー?お気に入りの赤葦くんが見つけてくれて部屋まで送ってくれたんですねー?」
『なんか言い方いじわる』
黒尾お得意の挑発するような言葉に、ぷいっと顔を逸らす。
「怒んなよ」
『…黒尾が』
「ん?」
『黒尾が……見つけてくれると思ったのに』
「___え」
赤葦くんに言われた、
黒尾のこと待ってる気がしたって。
そうだよ、待ってたよ。
黒尾が見つけてくれるって思ってた。
『…なんてね。早く行こ!食堂閉まるよ!』
「おいA、」
黒尾が呼び止める声に気付かないフリをして
先を行くみんなの後を追いかけた。
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りんごあめ(プロフ) - MARTYさん» ありがとうございます!!キュンキュンしていただけたなら嬉しい限りです☺️ (4月4日 17時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 黒尾ファンさん» いつも応援ありがとうございます!!作者もWデートの話気に入っております☺️ (4月4日 17時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
MARTY - キュン死しそうでした!最高でした!!!!!! (4月4日 9時) (レス) @page48 id: 27d32145c9 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - この作品が最高すぎて、わぁってなっちゃった。この作品大好きやわぁって今日もう一度思いながら読ませてもろうたんやけど、Wデートがきゃってなってもうて心臓がもちまへん、さいこうすぎまへんか!!これからもごっつい応援しとるけん頑張ってください!!!😄 (3月29日 22時) (レス) @page48 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 黒尾ファンさん» 何度も読んでいただいてありがとうございます!!すごく嬉しいです💓 (3月29日 19時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごあめ | 作成日時:2024年3月16日 17時