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がこん、と落ちてきたペットボトルを取り出して赤葦くんは私に視線を向ける。
「もしかして迷子ですか?」
『へ?』
「Aさんは他校で絶対迷うって聞いてますから」
そう言って少しだけ可笑しそうに笑う。
『実は迷子です』
「じゃあ俺が部屋まで送りますね。それとも黒尾さん呼びましょうか?」
『なっなんで!?』
「黒尾さんが来るの待ってた気がしたので」
赤葦くんにそんなこと言われるなんて。
私ってそんな分かりやすいのかなぁ…。
「行きましょうか」と声をかけてくれる赤葦くんはさすが私の推しなだけあって、優しい。
『黒尾のこと待ってたのかな。わかんない』
「喧嘩でもしたんですか?」
『私が勝手にモヤモヤしてうまく話せないだけだよ』
へへ、と笑って言えば赤葦くんは「そうですか」といつも通り答えてくれた。
木兎のことや黒尾のこと、お互いの学校のことを話しながら薄暗い廊下を歩いて行くとあっというまに部屋の前に着いた。
『うわぁ…赤葦くん天才じゃん』
「普通ですよ」
『方向音痴ごめんなさいすぎる』
ぺこりと頭を下げるとクスッと笑う声が聞こえた。
『ほんとにありがとね』
「いいですよ。明日もよろしくお願いします」
『ん、こちらこそ!』
おやすみ、と言って赤葦くんの背中を見送った。
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りんごあめ(プロフ) - MARTYさん» ありがとうございます!!キュンキュンしていただけたなら嬉しい限りです☺️ (4月4日 17時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 黒尾ファンさん» いつも応援ありがとうございます!!作者もWデートの話気に入っております☺️ (4月4日 17時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
MARTY - キュン死しそうでした!最高でした!!!!!! (4月4日 9時) (レス) @page48 id: 27d32145c9 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - この作品が最高すぎて、わぁってなっちゃった。この作品大好きやわぁって今日もう一度思いながら読ませてもろうたんやけど、Wデートがきゃってなってもうて心臓がもちまへん、さいこうすぎまへんか!!これからもごっつい応援しとるけん頑張ってください!!!😄 (3月29日 22時) (レス) @page48 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 黒尾ファンさん» 何度も読んでいただいてありがとうございます!!すごく嬉しいです💓 (3月29日 19時) (レス) id: 60ce7b9f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごあめ | 作成日時:2024年3月16日 17時