漆拾壱 ページ26
Aside
今日は烏天狗警察まで出張(?)だ
まぁ、出張といっても、私は鬼灯さまに反強制的に同行させられているようなものですが……
いくら出張といえど、一気に補佐官二人が閻魔庁から居なくなるのは、些か職務怠慢かと思いますが、鬼灯さまは成すべき事を放り出させてでも、私を連れて行きたかったようです
しかし、と講義したかったのですが、鬼灯さまが余りに悲しく、苦しそうに顔を歪めたために、言葉が喉につっかえてしまった
挙げ句の果てには………
鬼灯「何であろうと、私は貴女といたい」
……貴方という人(鬼)は、本当に私を
困らせるのが好きですね
どうやったら、そんなプロポーズ紛いの言葉が出てくるんでしょうか…
私の余裕を奪うのが、そんなに楽しいですか?
ただ貴方が隣にいて、私に話し掛けて下さって、触れて下さるだけで、心臓は壊れる程早鐘を打つのに、貴方はまだ足りないのですか?
どれだけ溺れさせる気ですか
と言うか殺す気ですか
……まぁ何にせよ、私はそれを悟られないように笑顔を決め込むだけです
つい先日、悲しい顔も、貴方に寄せ続けているこの想いも、全て隠して仕舞おうと決めたばかりですから
そんなこんなでやっと朧車タクシーに乗り込んだ次の瞬間だった
A「!」
体n…いや、車体が大きく揺れて、私はバランスを崩し、鬼灯さまの方によろめいた
鬼灯さまは目を見開くと、私を抱き寄せた
鬼灯さまの腕の中、ドクドクと脈打つ心臓の音が聞こえる
それは私のものなのか、はたまた鬼灯さまの……いえ、そんな馬鹿なことは有り得ませんよね
暫くしても、鬼灯さまは一向に離そうとしない
それどころか、段々、私を抱き締める力が強くなっている
思わず、私は苦しいと途切れ途切れに声を漏らした
慌てたように離れる鬼灯さま
その姿は少し子供っぽかったが、同時に、今離してもらえなければ確実に死んでいた、と感じさせた
鬼灯「しかし、タクシーも大変ですよね…さっきみたいなことがあって客に恨まれたり……」
鬼灯さまが憎悪の籠った目をして、凍てつく程冷たい声で言った
「危険だ」と本能が告げる
この人は朧車さんを殺すかもしれない…
そう感じた私は、いつものように鬼灯さまを宥めた
すると、鬼灯さまが私に目を向ける
その目には憎悪の欠片も残っておらず、代わりに慈愛の籠った目が私を見つめた
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雲隠+α - 黒鴉さん» お役に立てて何よりデス!!更新待ってますネ〜!! (2020年3月26日 21時) (レス) id: d5c5f2725d (このIDを非表示/違反報告)
黒鴉(プロフ) - 雲隠+αさん» おお!出来ました!感激…本当に有り難うございます。亀更新ではございますが、これからも何卒宜しくお願い致します! (2020年3月26日 1時) (レス) id: 30a687a706 (このIDを非表示/違反報告)
雲隠+α - 黒鴉さん» (center:〜文章〜) とやれば出来ますヨ!!因みに僕はこれで小説かいてまs(( 〜文章〜のところに真ん中に表示したい文字を書いてネ!!更新待ってます!! (2020年3月25日 13時) (レス) id: d5c5f2725d (このIDを非表示/違反報告)
黒鴉(プロフ) - 雲隠+αさん» 初めまして!本当ですか!?スマホ何ですが、よろしければ教えて下さい。お願いします。 (2020年3月21日 2時) (レス) id: 30a687a706 (このIDを非表示/違反報告)
雲隠+α - はじめまして!!【鬼灯の冷徹】面白いですよね!!あ、そういえば質問なんですケド、「空白」って文章を真ん中に表示したいって事ですかネ?((語彙力)) もしそれだったら、僕教えられますヨ!! (2020年3月20日 20時) (レス) id: d5c5f2725d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒鴉 x他1人 | 作成日時:2019年4月4日 15時