｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿陸. (ページ42)

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澄み切らぬ水面の月明り＿＿参ページ42

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……何かがおかしい
どうして自分はアカリが｢本当に優秀な医療忍者になる｣と"一切疑わぬ事実"と思ったんだ？原作で見た事のない所謂通行人的役割の彼女の未来は不確定なのに…

＿＿＿チーン…

｢ひっぐっ…うわぁぁ…母様ぁぁ…！｣

｢病が進行してしまったんですって…｣

｢カガミちゃんとアカリちゃん二人遺してどうするのかね…｣

｢頭領様は何処にいらっしゃるのかしら
最近めっきり姿を見ていないわ…｣

｢えっ…？何、これ…？｣

今さっきまでアカリの家の縁側で春の長閑で暖かいものを感じながら談笑していた筈

如何して"霜月の様な寒さ"と鈍色の曇天にバケツがひっくり返った雨の中"葬式"が行われている？如何して"別れた時より少し大きくなったカガミが泣いている？"如何してAが診ていた時は回復の兆しがあったキョウカが骸となって線香を焚かれているのだ？

景色が一変した？そんな馬鹿な筈…だって

(あたしはこの出来事知らない(・・・・・・・・・)‼︎)

｢……知らなくて当然ですものA様
何故なら今貴女様が見ているのは"三栖Aが木ノ葉を去った後の出来事"なのですから｣

｢アカリ、ちゃん…？ｯ！その目(・)……！｣

立ち上がって混乱する自分の眼前に居たのは先程まで談笑していたのとは違い、目を腫らし泣いた跡がクッキリ付きながらも癖っ毛の長髪を後ろで編み込んで纏め、軽い化粧に喪服を着たアカリ。しかしAは何よりドキッとしたのは彼女の双眸は緋色の三つ巴の紋様＿＿＿＿｢写輪眼｣に変じていた事だ

｢何があったの？｣｢これ一体何なの？｣と問う暇をこの世界は与えてくれなかった。グニャリと歪んだと思えば今度はうちは一族の埋葬墓地の風景へ変わる。土を被せられる棺の周りには"歳の重ねた見慣れた小隊と松葉杖を突いた古い友"が居て、埋められているのが誰かすぐに理解してしまった

＿＿｢……金銀兄弟の襲撃の時カガミの奴は逃げるワシ等を守る為＿＿＿＿"突如現れた｢烙曜｣の奴等目を引き付ける役を担い、あの日…眼のみを託し戦死しております"｣＿＿

｢カガミ…く…ん…？｣

｢……その通りですA様
カガミの遺体は扉間様が命かながら雲隠れより共に帰って参りました。勿論五体満足ではありませんが…千手直轄の部隊になぞ入らなければ…愚かな弟です。うちは一族なのに憎き千手の犬に成り下がり死ぬなどと｣

一族の恥です＿＿＿＿＿

一蹴された言葉に自分は怒りを以て彼女の方を振り返って
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