｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿陸. (ページ39)

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暴走＿＿零壱ページ39

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人間とは思えない獣の様な鉤爪で"回避する素振りも見せず立ち尽くす女"に一撃を当てようとした＿＿＿＿＿その時だった

｢…止めなさい須佐能乎(・・・・)｣

＿＿＿ガキィンｯｯ‼︎

｢ｯ⁉︎｣

突如女のチャクラが増幅して桜色の肋骨の様な何かがナルトの鉤爪を弾き、そのままナルトは威力を抑え切れず後方へ吹っ飛ぶ。理性を失っているナルトにそれがある一族の力である事なんて解らないし知るのはずっと先の事

"うちは一族で万華鏡写輪眼を開眼した者の中で一部だけに現れる瞳術能力(須佐能乎)"
今この場でそれに敵う者は誰も居ない

(関係ねェ…Aを守るんだ！じゃねぇとオレは…オレは！！！！)

｢オォォォォォォォォォォォォォォォｯｯｯ！！！！！！！｣

無意識下でチャクラを増幅させる
赤いチャクラが更に質量を上げ尾が二本になったのをカカシが青褪めている事を自分は知らない、どうだって良い

もう一度、今度は絶対、絶対に＿＿＿＿！

｢＿＿＿ナルト止まれ！！！｣

｢っあ⁉︎｣

("緑色の須佐能乎"…へぇ……"生きてたのね")

久しく聞いた声と同時に今度は緑色のナニカに阻まれ四肢を骨の腕で鷲掴みにされる。しかし理性が飛んだナルトは獣其の者、本能に支配され抜け出そうと必死だ

黒鴉を模したハーフマスクを着用しくすんだ鈍色の外套を纏った男は｢悪い｣と謝辞を言い、九尾の力で暴走するナルトの頭を鷲掴みにし"緋色に四枚刃の手裏剣の紋様"で目を合わせる。するとぐらりと酷い目眩と共に巡っていた力が嘘の様に抜け、赤いチャクラは自分の中で収束して行ったのだ

解放された自分はそこで漸く

｢"鴉の兄ちゃん"…｣

｢全く心配させやがって…後はオレに任せておけ
大丈夫、Aは此処で死ぬ様な奴じゃないサスケもな｣

｢そうですよナルト君
彼をボクは殺せませんでした…仮死状態でありますが生きてます｣

｢白…｣

黒鴉の男は頭を一撫ですると女に視線を向け睨み付けた。怒りと動揺が入り混じりながら

｢…語る事は何もないみたいね
えぇそれで良いの私達｢烙曜｣とは敵同士なのだから｣

｢失礼Ms？撤退のお時間です｣

｢そう…そこの人柱力の下忍さん覚えておきなさい……我等は｢烙曜｣陽を掲げいつしか落とした者。古き世より命を奪い去り再び陽を掲げんとする組織。機会があればまたお会いしましょう？｣

妖艶に告げた者達はもうそこに居らず、屍とAだけを残して消え去っていた

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