｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿陸. (ページ15)

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悪の基準＿＿参ページ15

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Aの声と姿を目で捉えた瞬間再不斬も白もその目を大きく見張らせ、当の本人は苦笑いを浮かべながら内心首を傾げる。｢まるで声を掛けるまで全く気付かなかった｣と言わんばかりだ。確かに気配を完全に絶って足音も無音だったがここまで驚く事もないのに

｢おい小娘…わざわざ殺されに来たのか？カカシの部下の中で手練れの忍が真正面からアジトに入り込むなんざ余程死にたがりと見える｣

(訳すと｢こんな所にガキが来るんじゃない。誰かに殺される前にさっさと帰れ｣ってとこか…遠回しに心配してくれてどうも。口が裂けても言えないけど)

｢"どうせ明日会うのに"こんな真夜中に会いに来る程あたし馬鹿じゃないよ｣

｢ほー…オレが生きていた事に驚かないって事はタネはバレてたか｣

｢千本は医療器具として主に使うからね
木ノ葉でも武器として使う人は居るけど急所を打たない限り死なない上…千本二本じゃ殺しきれないもん｣

｢打ち方は洗練されて鮮やかであんたの相棒は本当凄いんだね｣と白を見つめ微笑み｢それに再不斬思いの良い子だね｣と更に言うと白は雪の様な頬を赤らめ嬉しそうに綻んだ。美く可愛い過ぎやしないか？これは一層カブトの穢土転生なんかさせてやるもんか

死なせない理由がまたまた増えていく自分である

｢アジトに来るつもりは無かった
でもこの兎さんがどうしても帰りたがってたから。ほら、家族の所に帰りな｣

｢！…有難う御座います
その兎はボクの口寄せ動物だったんです
面倒まで見て頂けた様で何とお礼を言ったら良いか…｣

予想通りあの白兎は白の飼い主だった
まさか口寄せ動物だったのは予想外だったが…じゃあ喋る？のか？まぁ帰って来た兎を抱いて無事再会出来たのなら良いか

｢じゃあ明日お互い生き残れたらお礼して貰う形でお願いします｣

｢…クス、おかしな事を言う人ですね｣

｢全くだな
明日何方が生きて何方が死ぬ文字通りの命の奪い合いをするってのによ｣

白の言葉に賛同して暫く黙っていた彼は口を開く
呆れた口調の中には暗喩に｢敵同士である事を忘れるな｣と戒めが込められて居る気がした。それが忍の心得であると、自分達は仲良しごっこを出来る立場では無いと

言ってる事に間違いは一つもない
お互い生き残る何て周りから見れば自分は脳内お花畑なのだから

｢確かにあたし達は｢今｣は敵同士だよ…でも｣

それでも

｢敵同士でもあたしは＿＿＿＿あんた達が｢悪人｣とは思ってない｣

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