｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿陸. (ページ1)

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廻る歯車不穏ありけり＿＿零ページ1

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波の国の外れにある港に面した場所には燻んだ灰色のビルが一つ建っていた。入り口と思われる所にはまだ真新しい｢ガトーカンパニー波の国支店｣と書かれた看板が掲げられてる

一見すれば新しく出来た綺麗で立派な建物だが＿＿＿＿闇社会に地位を成すガトーカンパニーがじゃあ中身まで綺麗なのかと問われれば誰もが否と声を上げるだろう。実際、ガトーカンパニー波の国支店の"隠れた地下室"では……黒スーツに杖を突いた宛ら某ジ○リの紅○豚の様な風貌をした小柄の男ガトーが側近二人を連れて密会を行ってる

｢"あんた達"の"助言"は正しかったんだろうなァ？言われた通り霧隠れの抜忍共を雇ったが彼奴等、木ノ葉の小僧共に邪魔されて何一つ役に立ってねぇ｣

｢…貴方は忍世界に全く明るくないようね
手配書にも記載される最強の忍を前にした時腕の立つ立たない関係無く忍は身の危険を感じるもの。それとも……雪一族の彼に腕を折られた事がそんなに腹が立って？｣

暗がりの地下室
ガトーと言葉を交わすのは赤金色に｢友引(・・)｣の刺繍が入ったフードを被る外套を被った然程高くない背丈の女であった。背後に赤い生地に｢大安｣と刺繍されフードを目深く被った高身長の男を控えている

｢ケッ！最早歴史の裏に埋もれた｢絡曜(・・)｣が余計なお世話だ！どの道奴等に金何ぞ払うかってんだ！｣

侮辱と指摘に腹が立ったガトーは手持ちの杖を床に叩き付け"古い歴史を持つ組織"に対して声を荒げた……そう、ガトーは再不斬達以外にもう一方ある忍組織と手を組んでいたのだ

名を｢烙曜｣
戦国の時代において大名達の後ろ盾や義賊活動
戦に巻き込まれない一般人の為に中立の集落街を作り、戦により路頭を迷う孤児を保護し滅亡の危機に瀕した一族を組織へ勧誘するなど｢表向きには慈善活動をしていた組織｣

｢裏の顔｣は滅亡の危機に瀕した一族へ赴き甘言と共に死んだ時に生まれる｢霊宝(リーブンストーン)｣を回収する魂と遺体に執着する組織である。かつての栄華は失ったが裏社会に息を潜めこうやって裏社会の依頼で紡いで来た

｢あんた等がタダで仕事を請け負うとそっちから依頼したのは感謝してるがな生憎｢タダより恐ろしいモンはねェ｣のがこの社会の常識だ！｣

｢嗚呼そう…私にはどうでも良い
でも間違わ無い事ねガトー？鬼も悪魔も同類…違約者はその命で償うのだから｣

そう告げる女のフードの隙間からは"鉤十字の緋色の瞳"が怪しく光っていた

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