_いつものアレなんちゃう?_(麻乃side) ページ19
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「ホッ……よ、良かった…」
マジックで何とか切り抜けて私は思わず胸を撫で下ろした
あのネクサスが無ければ遥は
コスト4以下のスピリットを召喚しても回復状態のまま出せる
コスト1の『角ペンギン』を出したのは破壊した後の軽減シンボルの確保だろう、ネクサスも張らないまま更地の状態で出しても苦しいだけだ
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「や、やりましたね、遥さん!
…………零雄…さん……?」
零「んー…はるやんまたいつもの"アレ"なんちゃうかなー?頭ん中どえらい事になってるできっと」
「"アレ"……?アレって何ですか…?」
零「アレはアレや、あーたーま」
トントンと自身の頭を指でつつく零雄に私はコテンと傾げる
頭がどうにかしたんだろうか?
具合でも悪くなっているのだとしたら大変だ、バトルしている場合じゃない
しかし零雄はそんな自分の思った事が通じたのか、首を横に振って「そうじゃあらへんよ」と前置きの様に告げると
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零「はるやん…やっぱり頭のネジどっか外れてるわ……普通、全カードのテキストやら系統…更にはデッキのタイプまで"丸暗記"なんて出来へんもん」
「暗記…!?」
零「それだけバトスピが大好きなんや、彼奴。口では嫌だ嫌だ言うとるけんど昔からバトスピのカタログは食い入る様に読み漁るわ、対戦動画やら環境チェックまでやっとるんよ。有言不実行の極まりやろ?」
そう言う零雄は言葉とは裏腹に何処か嬉しそうだった
久し振りに彼のバトルを見れて…久し振りに彼の本気を見れる事が何よりも嬉しいと言わんばかりにバトルを見つめている
何だかそれが微笑ましくなって、私はニッコリと笑う。私まで嬉しくなってしまうのは何故だろう
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零「だからなんやろうなぁ、」
「…?」
ふと、零雄は目を細める
紅と紫のグラデがかった瞳が木漏れ日の光を受けて煌めいた
その瞳に映しているのは遥なのかスカイなのか私には解らない
風がサァ…と薙ぎ、通り抜けたと同時彼は独り言の様に呟いた
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零「はるやんはスカイのデッキを大体推測してる…その上で違和感、覚えてんちゃうかな」
頭の記憶にあるカードやデッキの系統を頼りに推測し、先読みするのが烈火遥の戦い方だから
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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2017年6月15日 20時