救世記＿battlespiritsrevival＿【異変の始まり】 (ページ34)

今日:15 hit、昨日:3 hit、合計:13,462 hit

終わったとは思うなよ＿＿? ページ34

.

｢終わった……のか…?｣

酷く息が上がる

全身から汗が吹き上がって気持ち悪い
体力が無くなったのか無意識に
剣を地に突き刺して寄りかかっていた

倒した……？

一応、手応えはあった筈だ
攻撃の衝撃のせいか水蒸気で周りが見えず視界が悪い

倒した、そうであってくれ
心の中で思った時、やっと視界が晴れてきた

そこには、

.

コ｢……く…ひ…くっあはぁぁ♪｣

｢!?まだ生きてたのかよ！｣

髪が乱れ、身体中血が滲み、
背中からボロボロの蝙蝠の様な翼を出し
フラフラとしながら彼女は口裂け女みたいに笑う

どう考えたって可笑しい

おかしくて、ゾッとするほど恐ろしい

.

零｢はるやん離れてや！｣

麻｢これ以上は!!｣

俺を守る様に前へと出る二人

互角にやりあえるとは思えないのに
重傷の零雄と涙をめい一杯溜めた麻乃は
悪足掻きでも良いからとでも言っている様だった

.

(くそ……動けよ！俺の体!!!!!)

力の反動か、だがそんなのは気にしないと
フラフラしつつも此方へ迫るコカビエルをどうしようも出来ない

やられる、そう覚悟してしまった時

.

コ｢『やぁやぁ、まさか倒されるとはねぇ
　クソみたいにこいつは弱かっただけか？ん？』｣

麻｢え……｣

零｢!!｣

コ｢『くひひ、驚いて言葉も出ないって？
　コカビエルだよ、コカビエル
　かつてグリゴリの一人だった天使、赤ずきんとは呼ばれない方の』｣

口裂け女の様に笑いながら、ねっとりとした口調で
｢コカビエル｣は言葉を連ねていく

声は変わらないのに、見た目も変わらないのに
彼女の別の何かにしか俺達には見えなかった

.

コ｢『流石、元主だよなぁ
　我等堕天使を殺す兵器を天使に任せる何て
　"アレ"から貰ったラッパの力も敵わなかったし
　あーでも…還される羽目になるとは面白くないなぁ』｣

｢ラッ…パ……?何なんだ……お前は赤ずきんで＿＿｣

コ｢『おぉ知りたいか？けど残念だな
　まぁ……それに関しては他の堕天使を相手すれば解るさ"ヒーロー"

　…ようこそ少年少女諸君、我等が舞台裏へ
　我等堕天使はお前らを全員で拒もう(ﾆﾔﾘ…』｣

.

同時、コカビエルの体に紅の炎が巻き付き
業火に焼かれるが如く堕天使は消えていったのだった……

.