救世記＿battlespiritsrevival＿【異変の始まり】 (ページ28)

今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:13,441 hit

守りに行くんだページ28

.

??『助けに行くんだ、結局』

茜から封筒を受け取り、俺は階段を下りていた

取り敢えず学校を出るにも
早退届けくらいは出さねばなるまい

職員室に向かう中、お姫様の様な
美少女守護霊ヘレルは不満そうに呟き
テクテクと着いてくる

まるで駄々を捏ねる子供の様で思わず苦笑し

.

｢助けに行くんじゃねぇよ｣

ヘ『？』

｢守りに行くんだ
カッコつけた幼馴染みと健気な少女をな｣

ヘ『同じじゃない』

｢"助ける"と"守る"じゃ色々と違うんだよ
多分、助ける何て言ったら俺は何も出来ない｣

階段を下りながら言いつつ、封筒の開け口を丁寧に開ける

入っているのはカード二枚だけ
手紙とか、そう言った類いは入っていなかった

カードを傷付けない様にソー……っと
取り出して見れば…

.

｢！………ったく、親父もお袋も
息子にこんなのを託すなっての……｣

それでも、フッと笑ってしまうのは何故だろう

嬉しさが込み上げてしまうのは何故だろう

感極まって泣きそうになり
必死に涙を堪えた

このカード達を託したのはきっと両親なりの答えだ
あの時俺が問い掛けた時の、その答え

今までの事に｢ごめん、有り難う｣と
思いながらデッキに仕舞い
それと同じくして下りきる

.

ヘ『ふうん……じゃあ手伝ってあげる
　遥の友達の所まで道案内してあげるよ』

｢え、そんなの出来んの？｣

ヘ『守護霊だから何でも出来る
　遥が生きていてくれる限りはね』

｢守護霊って凄ぇ……｣

ヘ『…だから死なないで、私の言葉を振り切ったんだから
　死んだら容赦しないし転生できない様にしてやる』

｢……｣

.

訂正、凄いじゃなく怖いの間違いだった

俺の守護霊怖い
守護霊なのに守護しようとしてないっ！

そんなに言う事を聞いてくれなかったのが
不服なのか………女の子の気持ちとはよく解らなかった

頬を膨らませ、ブースカと怒られても
どうしようも無い訳であり…ただ言えるのならば

.

｢死なねぇよ、死ぬ気もねぇよ
俺が望むものはちゃんと俺も居なきゃ駄目なんだ
と言うか誰も欠けちゃなんねぇんだ

俺の大切な"日常"は｣

だからこそ、今から守りにいく

助ける何てそんな大層な事は出来ないから
守りたい為に拳を振るいに行く

勝ちとか負けとかそんなのはどうでも良いから
自分の思うままに行くんだ

.