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science717(戦兎side) ページ9

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「ミシェルが…?」


ミ「正確に言うはならば過去の私、アレイスター・クロウリーが召喚した大悪魔だと言ってやるとも。アイワスが"深淵"に挑戦するのなら数々の天使を召喚しろと言ったのが始まりだな」


龍「深淵?」


ミ「馬鹿でも解るように言えば「全ての世界の始まり」、「根源」だ。いつの時代の魔術師もその深淵を探究する為に魔術の至高を追い求めるものだとも。皮肉な事に、追求する一点においては科学者と同じだ。嫌になる程」






深淵に到達することによって膨大な知識、世界の仕組み、過去や未来を視通す力が手に入るとミシェルは語った。故に深淵に到達する魔術師は一つの分野に貪欲ながらも探求し求める科学者とそう相違はないのだ

人差し指を軽く回しながら更に付け加える
それはまるで知識の乏しい子供に教える叡智を極めた教師の如く






ミ「コロンゾンはその深淵の主、悪魔の樹(クリフォト)にもゴエティアにすら載らない大悪魔だとも。333の数価を持ちその本質は「拡散」、亡霊の集合体であるにも関わらずその脅威は悪魔の王(サタン)にも匹敵する。___私はかつてアフリカの砂漠で弟子と共に深淵に挑戦した。…が、この天才ですら"乗っ取られかけた"。弟子が居なければ当時第一次世界大戦よりもっと恐ろしい事になっていただろうな」


「なら早くゆーちゃんを取り戻さないと…!」


ミ「おい、早まるなよ科学の天才。いいか?過去コロンゾンを召喚したのは私を含め四人だ。ヨーロッパ最大の謎と呼ばれる不老不死の伯爵サンジェルマン、我が宿敵であり同時にして黄金の夜明け団首領マグレガー・メイザーズ、自らを黙示録の獣の魔人だと宣言したアレイスター・クロウリー、そして____この世から完全に消える前に罪を洗いざらい告白したらどうだ?十魔遥姫。いいや、元術師にして元暗殺者の鈴野光、お前もだ」


鏡「え…?」







突如、ミシェルの灰色の瞳が鋭く光った
その視線は確実に鈴野夫妻に向けられており娘の鏡怪は困惑した表情だ

実際戦兎自身も胡乱げにミシェルを見つめている


遥姫なら解る
だが何故光にまで飛び火する?元術師?暗殺者とはどう言う意味だ?



対し、咎められた夫妻の片方は最早ほぼ力尽きている声音でポツリと告げたのだ






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遥「ど…うして…も…生き返らせ…て…あげたかった…だけ…なの…」


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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年10月22日 17時

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