science714(紫苑sid) ページ6
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アナウンサー『御堂首相は新国家として政府をパンドラタワーに移し、東都西都北都を…』
龍「何が新国家だよ、エボルトの野郎め」
紗「カズミン、まだ目を覚まさないね」
"全ての真実を知って"あれから暫くが経った
彼等の所に訪れた術師は自分だけだ
他の皆はみな、各々がやれる事を模索したり己と向き合ったりしている
例えば、ミシェルは自宅の地下室で研究中
例えば、鏡怪と破魔は光騎の協力で協会本部で鍛錬しているし
例えば、会長は今後の対策を考えて術師達とほぼ毎日の様に小規模な会議を開いている
無理もない、熾織の兄喜怒哀楽が大悪魔コロンゾンに乗っ取られて戸惑いを隠せないのが現実だった。協会としてもルシフェルクラスの悪魔の出現に戦慄を走らせている。どうやって倒せば良いのか明確な答えが出ていないのだ。
何せコロンゾンは最悪、エボルトよりも強い
いいや…この世界の暗黙の了解に則れば宇宙人などよりも超神秘的存在__神やその被造物の方が紛れも無く勝るのだ。それこそ世界丸々一つ破壊しても何らおかしくないのである。
それでも紫苑がここに来たのは
今出来る最善がそうだと思ったからに他ならない
「傷はちゃんと治したからその内目を覚ますと思うよ」
紗「そう言えば熾織ちゃんは…?」
「熾織姉は境怪との戦いで無理しちゃったから協会の病院で養癒中だって。元気だから心配しないで」
ニッコリと安心させる様に笑う
すると、沈鬱な表情をした美空が地下の秘密基地から出て来た
龍「戦兎の方はどうなんだよ」
美「…徹夜続きでパソコンに向かってる。無理もないよ、だって……」
冷蔵庫の方を見つめる美空も紫苑達もその先の言葉を紡ぐ必要は無い事を知っている
秘密基地に戻ってからと言うもの戦兎は食い入る様にパソコンとにらめっこしていた
まるで己の全集中力と生命力を注ぎ込んでいる様な勢いは、陰陽師である紫苑ですら怖れを感じた。自身を追い込んでいつか寿命の全てを擦り減らしてしまうのではないかと思う程である
(喜怒哀楽兄…)
あの時、戦兎はあまりにも失い過ぎたのだ
父親の死
一年間共にいた喜怒哀楽がコロンゾンに乗っ取られた事
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______そして、その後に聞かされた真実も
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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年10月22日 17時