science753 ページ45
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美「嫌だなんて言う訳無いじゃん」
問い掛けの応答は、驚く程に即答だった
真っ先に答えたのは戦兎でも龍我でも無く、瞳に涙をいっぱいに溜めて必死に泣くのを我慢していた美空だったのだ。彼女はこちらをムッと睨め付けて、堪えていた雫が溢れるのもお構い無しに言う
美「あんたが暗殺者だったぐらいで…そんな簡単に見捨てる訳無いし!っ…それよりも皆に心配させた事ちゃんと責任取りなさいよ!………本当に…死んじゃうかと思ったんだから…!」
「みそらち…___うわっ!?」
一「つー訳だ。俺達は誰もお前の事を見捨てねぇよ。まあ?俺はみーたんが泣きながら言うもんだから仕方なーくだけどな?」
突然頭に重みが掛かったと思えば…いつのまにか喜怒哀楽の左横に一海と龍我、幻徳の姿があった。長髪の喜怒哀楽をいい事にわしゃわしゃと掻き回す一海を半目で見ていると龍我は言う
龍「えっと…あれだ、なんつーの?俺も戦兎も誰も殺さなかった訳じゃなかったしよ…お前が今まで人殺しをしていたとしても戦兎を守るために命を張れる奴だって俺達は知ってんだ。それにんな事で仲間外れになんかするかよ」
幻「右に同じ!」
一「おいヒゲ、そのネタまだやんのかよもういいよ」
幻「今度は正しく使った」
戦「馬鹿ばっかだ…」
完全に空気をクラッシュした幻徳及び二人に頭を抱える戦兎
そんなこれまでと一切変わらない光景に喜怒哀楽はフ、と小さく笑った。例え喜怒哀楽がどうであろうと何もかもを受け入れて、許してしまう彼等…嗚呼本当に…自分はかけがえのない良い仲間を持った
「…ありがとう、皆」
そう呟いたその時___
騎「皆さんた、大変です!今すぐテレビを観て下さい!___あ、喜怒哀楽さん目が覚めたんですね!良かったです!」
「いやだからなんで最初の台詞からそんな呑気に言えんのお前」
まるで野球のスライディングの様に病室へ駆け込んで来た選定の剣を抜きし騎士王の転生者につい突っ込みを入れてしまった
だがあの光騎が肩を上下に揺らし、しかも頬に汗を伝せゼエゼエ息を吐きながら緊迫迫った表情をするとは珍しい。かの騎士王ですらそう言う表情にさせるとは何が起きたのだろうか。これまでの経験上、あまり良い事ではなさそうだが
紫「兎に角テレビつけてテレビ!」
戦「一体なんなんだ?」
騎「観れば解ります!」
そうして病室のテレビをつけた瞬間___
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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年10月22日 17時