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science744 ページ36

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そこは真っ暗だった

四方八方が黒に染まり、奥行きがあるのかないのか不明瞭な程に闇がある。常人なら気が狂ってしまうかもしれない。自分がそうならずにいるのは、色は違うが似たような空間に居た事があるからかとぼんやりとそう思う


…ここには何も無い。一面続く闇、深淵とも見える場所には音も光も過去も未来も時も存在しはしないのだ。ただひたすら孤独で、己の姿をハッキリと確認出来る以外に、神浄喜怒哀楽は何も感じていなかった



あるのは後悔と自己嫌悪

そしてもうどうにもならないと言う絶望

償い切れない己の罪が、吹き返す様に喜怒哀楽へとのしかかる





「ごめん…さっちゃん…俺のせいだ……俺がいなければこんな事…」






ずっと、ずっと、それを繰り返す様に喜怒哀楽は呟く

嗚呼…今まで何を勘違いしていたのか


前にそれを改めて確認した筈なのに、その事実を突きつけられた筈なのに。自分が永遠に許される人間では無いと解っていたのに。___どうして…戦兎達と一緒に居て良いなどと思ってしまったのだろう。この手は既に血に塗れていて、正義とは程遠いところにいる自分は幸福を願ってはいけなかったのだ

その事を、もっとずっと早く自覚していれば大切な幼馴染を殺さずに済んだのに______






??「おやおや…流石あのガガンボ野郎、人間一匹捕らえる空間も吐いてしまうくらい悪趣味だ」


「…?」


⁇「君も災難だね。あの大悪魔、生まれた時から深淵に居る様な奴だから似たような空間しか作れないらしい。それに対して天界の神々が織り成す空間は正に対極だ。真っ白過ぎて気が狂いそうになる。そうは思わんかね青年…いいや、コロンゾンに絶賛捕まえてる最中の神浄喜怒哀楽君?」




その時だった、突然目の前に高校生くらいの少女が現れたのだ

いちご色の襟つきポンチョ、腰には白をベースに赤色のリボンが結われたコルセットにポンチョと同色のスカート、黒のタイツとシューズ__のメリージェーン姿をした金髪銀眼の少女。ヨーロッパ系の外国人を思わせる髪色と瞳の色ではあるが、顔立ちがアジア特有の顔立ち故にギクシャクしている気がする


少なくとも初見の相手にそれだけの印象を与えるのだから、異常な奴だろうと経験から喜怒哀楽は察しがついた

それこそ、上司や先輩かつて会った女神達のような






「お前は…?」


ア「そう言えば君とは初めましてだね?私は___アレイスター・クロウリーの聖守護天使、"アイワス"だ」



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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年10月22日 17時

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