science742(ミシェルside) ページ34
.
実のところ、ここまでは全てミシェル達の計画の中にあった
正しく言うなら聖守護天使アイワスの計画通りである
ミシェルが桐生戦兎のところに行ったあの日、あの話の直後にアイワスがやって来てこう言ったのだ
___神浄喜怒哀楽を救うなら私を使うと良い。悪魔召喚で天使の力を使い悪魔を抑え込む様に、私はあの大悪魔の内側をいじくりまわしてやろう。___
自らの身を犠牲にして神浄喜怒哀楽を助け出す手助けをしてやると、あの聖守護天使はそう宣言した
戦兎が瞠目して口を開きかけ、出かけた言葉を黙って呑み込んだあの表情をミシェルは覚えてる。「やめろ」と言えるだけの打開策も対抗し上回る力も戦兎には無かったからだ
素直に認めてやりたくは無いがこれは上から目線の聖守護天使がくれた好機だ
瞳を凍らせ、震わす大悪魔をミシェルは笑いながら懐からカードを取り出してこう告げる
「お前は常にそう言うとこが甘いんだコロンゾン。かつて私を乗っ取ろうとした時も私の弟子が悪魔の誘いに乗って行かず、短剣で陣へ追いやった事を鳥よりも小さなおつむで忘れたか?___何の策もなく大悪魔に挑む訳がないとも!嗚呼本当に、本当に、"アイワスの挑発に乗ってくれて"礼を言うさ!!大悪魔!!」
コ「アレイスタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!!」
「"スモールは「コイン」を象徴し司るは逆位置の如し!アテュたる数字は「XXI」!世界よ、盛者必衰の理を回せ!"___更にもう一枚!"スモールは「剣」を象徴し司るはバベルの塔の如し!アテュたる数字は「XVI」!破壊と破滅の象徴たる塔よ、悪魔が制する調和を破綻させたまえ"!!」
タロットカードにおいて、XXIは「世界」、XVIは「塔」を象徴する
物事の成功を意味する「世界」のカードは逆位置にすると一転し調和の崩壊、衰退を意味し、「塔」のカードは逆位置だろうが正位置だろうが破綻もしくは破滅を意味すると言う。つまりはどう抗ってもバッドエンドにしかならないのだ
喜怒哀楽を制御する悪魔の調和を崩壊させる
そして破綻させる
コロンゾンの体制は完全に崩された
ミシェルが主人公であれたのはここまでだ
後は、本来の主人公に任せるとしようか
「やれ!科学の天才!45年もの間世界を守って来たヒーローの底力を見せてやれ!」
.
science743(戦兎side)→←science741(コロンゾンside)
17人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年10月22日 17時