science732(noside) ページ24
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エボルトの戦いから後、カフェの秘密基地には二つの影があった
電気をつけてもいないので薄暗いが…桐生戦兎とミシェル・アーリマンが一定の距離を置きつつも対峙していた。少なくとも人間が他人からの侵入を嫌悪する半径45センチ以上の間隔はあるだろう
おおよそ2メートル半の距離
科学の天才と魔術の天才、対を成す二人が何故こうなっているのか…その答えを先にミシェルが口にした
ミ「それで…わざわざ人払いをして私を呼んだのはどう言う要件だ?科学の天才」
戦「力を貸して欲しい」
ミ「…ほう?どうしてか聞いてやろうじゃないか」
戦「科学の領分だけじゃコロンゾンからゆーちゃんを取り戻せない。魔術に関して詳しいミシェルの力が必要なんだ」
ミシェルに見据えられる黒色の眼に一切の曇りも無かった。迷いに迷って愚考して、それら全てを何かを一因として吹っ切ったのだろう
桐生戦兎らしい顔だ
科学の天才にして世界を救うヒーローが確かにそこに居た。少なくとも藁に縋る様な男はここにはいない
科学の天才を目の前に思わず魔術師はフッと笑ってしまった
ミ「どこぞの生物学者にこの一年偽られていたのに助ける事を諦めないのか」
戦「"あの男はお前が世界から敵扱いされたってたった一人味方で居る様な奴だ"___あの時ゆーちゃんをそう言ったのはミシェルだろ?」
ミ「……ははははは、あの頃と比べて随分私に口ごたえ出来る様になったじゃないか忌々しい科学の天才!」
天才と天才が笑う。それは他の人間が見たらちょっと危機感を持っちゃう様な、意地の悪い嬉々とした笑みだ
漸く科学と魔術、双方の距離を確認した上で灰色の瞳を煌めかせたミシェルは言う
ミ「力を貸してやるとも。魔術と科学の融合?面白い、久々に血が滾ると言うものさ!ああこんなの若い頃に感じた以来だ!あの亡霊の集合体の分際で調子乗っている大悪魔に目にものを見せてやるとも!!」
______そしてその数日後、協会の術師達及び戦兎達の喜怒哀楽奪還作戦が決行した
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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年10月22日 17時