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science731(戦兎side) ページ23

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「っ……!」




今…何処かで誰かの叫び声を聞いた様な気がした

同時に戦兎はダメージが蓄積した体でかつて父親と交わした約束を思い出す


10年前、あのセレモニーが始まる前に交わした中々会えない父親と息子の会話。もしも宇宙人がいて地球に攻めてきたら…なんてどこかSFめいた、あの頃は非現実とでしか思えない話をしたのだ

「一緒に戦ってくれるか?」___かつての自分にそう告げた言葉、宇宙人から皆んなを守る為に一緒に戦ってくれるかと頼ってくれた父親の顔を、絶対に忘れない




「最悪だ…今頃思い出すなんて」




約束したのだ。一緒に戦うと、守るとそう約束したのだ

悪い宇宙人から皆を守ってみせる
悪人善人分け隔て無く、愛と平和の為に戦って皆の未来を創る為に


だから、





__喜怒哀楽兄を…助けて……!




「あぁ…勿論だ」





葛城巧は助けなくていいと言った
でも、やっぱりそんな選択を戦兎は選べない。選んじゃいけない

…だって彼は言ってくれたのだ、「守ってみせるよ」…と
あの言葉が偽りじゃ無い事なんて解る。例え喜怒哀楽が本気で助けられる事を拒絶したとしても自分は絶対に助けに行くんだ。ああそうだとも、いくらだって助けに行く!お前を取り戻す!




「約束したもんな…一緒に守るって…発明品を作ってやるって…!」




ボロボロになった体を叱咤して戦兎はヨロヨロと立ち上がった

前方にいる人類悪を睨め付け
しかし憎しみの感情を抑制する事に努める

憎悪の感情があっても強くはなれない
憎しみだけじゃあの人類悪や大悪魔も倒せない
何故なら桐生戦兎は、このライダーシステムは___





「"正義の為に創ったライダーシステムは憎しみなんかじゃ強くなれない"__そうだろ?」



【グレイト!オールイエーイ!ジーニアス!】




今まで反応しなかったジーニアスフルボトルが色を成し反応した

ボトルをトリガーと連動したドライバーに突き刺してレバーを回すとバチバチッと紫電が走る





【グレート!オールイェイ!イェイ!イェイ!イェイ!イェイ!イェイ!イェイ!Areyoureaby?】


「変身!」


【完全無欠のボトルヤロー!ビルドジーニアス!スゲーイ!モノスゲーイ!】




60の色とりどりのボトルが白色のボディに装填される
ジーニアス___まさしく人々を守る聖なる守護神
それは10年前今は亡き父親と交わした約束から最終的に生まれた者、そして大悪魔から哀しき男を救う者


世界を守る、仮面ライダーだ

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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年10月22日 17時

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