science723(戦兎side) ページ15
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「…駄目だ、ロックが解除出来ない」
何度ワードを打ってもエラーの表示が出る画面に戦兎は渋い顔をする。思い付くもの手当たり次第にぶち込んでいるが結果は嘲笑う様に戦兎へと示していた
チラリとパソコンの横に目をやるとそこにはビルドとクローズのカード、それと喜怒哀楽から預けられたセフィラボトルがある
__黒い…パネルの他に…エボルトもザクスも知らない…白いパネルが………ハザードトリガーを使え……!__
「何だよ白いパネルって…ハザードトリガーをどう使えって言うんだよ」
頭をかきむしって途方に暮れる
ただでさえ自分は頭がパンクしそうなのだ。鈴野遥姫が娘の手によって息を引き取ってから暫く経つ。龍我や幻徳、紗羽から喜怒哀楽について聞いて戦兎は彼の素を知った。その度にああどこまでも自分は喜怒哀楽の事を知らなかったんだと身をもって知らされた
彼を助けるにはどうしたらいい
どうすれば取り戻せる
??『そんなパネルは存在しない、彼を助ける事だって出来ない』
「!」
すると突然頭の中で声が響いた
それが誰の声か戦兎は分かっている
巧『君は父さんを美化してる。あの人は…俺達にライダーシステムを作らせ、エボルトとザクスと一緒に多くの命を奪った』
「違う。エボルトを倒す為に敵のフリをしていただけだ!」
巧『…本当にそうか?善良な人間なら、ハザードトリガー何て暴走装置を設計したりなんかしない』
「ハザードトリガーには別の目的があるんだ。白いパンドラパネルに繋がる何かがきっと!」
巧『君は、父さんの死に意味を持たせたいだけだ。君がそんな奴だから神浄喜怒哀楽に"今まで騙されてきたんだ"』
「ッ!ゆーちゃんは騙してなんかない!俺に知られるのが怖くて黙っていただけだ!」
巧『…それでも、彼は正真正銘の人殺しだ。罪人だろ』
「……!」
巧『俺はもう__あの人達に騙されない。助けるのはやめるんだな』
そう言い放った巧の言葉は絶対零度の冷たさだった。それでもその言葉は確実に戦兎の心を抉る
瞳を震わせて言葉を返せないでいると、バタバタと慌てた様子の美空が降りてきた。何となく嫌な予感がして無意識に顔が強張る
美「戦兎!東都の街が大変な事に…!!」
美空が告げたのはその予感を裏切らないものだった
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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年10月22日 17時