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science720(〃side) ページ12

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光「母を殺した父を殺めた喜怒哀楽はその後、私のところで修行し"暗殺者"になった」


「暗、殺……!?」


光「安心して欲しい。決して強制では無いんだ。人を殺した彼が選んだ最良の選択がそうだったんだよ。……その姿の喜怒哀楽に君も会った事がある筈だ。"暗殺者ルター"としての喜怒哀楽に」


「……!!!!」






その言葉に戦兎は鈍器で頭を叩きつけられる様な眩暈を覚えた

サァッ…と指先からみるみる冷えていく

心臓が鷲掴まれた様な感覚に襲われてしまう


嗚呼、酷いくらい聞き覚えのある名だ
エボルトに偽りの記憶として加えられたその中に居た暗殺者であり、龍我を匿うと決めた時にガーディアンの頭を刎ねた男で、そして、そして






__やっぱりお前ファウストだったのか!!答えろ!俺に何をした!俺の記憶を返せよ!元に戻せよ!__








「あ…あぁ……」





数本足を退いて、戦兎は膝から崩れ落ちた


ルターは喜怒哀楽だったのだ
守ると誓ってくれた彼はあの日あの時確かに居たのだ

なのに…それなのに自分は…!







「お、れ…ゆーちゃんに…なんて事を…!」






心の底から溢れ出すのは言いようもない後悔
気付く事が出来なかった己の罪に他ならない


あんな事を言ってしまってしまったのに何故喜怒哀楽は戦兎の側に居てくれたのだろう


あんな事を言ってしまったから喜怒哀楽は龍我を戦兎の相棒と言ったのだろうか



そこまで考えた自分は世界が真っ暗に染まるんじゃないかと思った。記憶の中であの冷徹で血も涙も感じさせない彼の双眸が、然りと戦兎を見据えて居る様で____






ア「こら、深淵を覗こうとしたら逆に覗かれると解らないのかね?」


「アイワス…っ、でも…」


ア「因みに、神浄喜怒哀楽が暗殺者であったと知らないのは君と石動美空と言う人間だけだ」





「他の人間は全員知っているよ」と付け加えたその発言に戦兎は今日何度目かも解らない程に瞠目した。龍我達に視線を向けると誰も彼もが沈黙で返してくる

沈黙が答えなのだ
あの龍我でさえも黙り込んでしまうと言う事は、つまり





ア「何故と、そう思うんだろう?」


「……」


ア「答えは簡単さ。神浄喜怒哀楽は言わないよう彼等に釘を刺していた___"君に嫌われたく無かったから"。それ以上に何があるのかね」



アイワスはフッと微笑んだ

誰もが解るであろう単純明快な答えと共に
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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年10月22日 17時

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