science719(〃side) ページ11
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当時、一時期は新聞の一面を飾っていた殺人事件だ
夜のワイドショーではひっきりなしに報道が続くくらい有名であったと印象に残っている
…その後"まるで外圧を受けた様な違和感すら感じてしまうほどすぐに風化して行ってしまったが"。故に今の大人に聞いても覚えている方が珍しい
戦兎は父親の仕事の関係上、一度喜怒哀楽の父親__神浄一喜に会った事がある。優秀な宇宙飛行士だったらしい。「俺にもお前と同い年の子供がいるんだ」と度々息子の話をしては笑っていた
ああそうだった、「神浄」と言う珍しい苗字の時点で何故気付かなかったのか
龍「………ああっ!思い出した!彼奴も神浄じゃねぇか!!」
幻「あの事件の犯人は確か…」
神浄一家父母殺人事件が新聞で一面を飾る程有名だった理由はただ子供一人が生き残ったからではない。本来の真実を知る事のない警察が犯人についてこう発表したからに起因する
"表向きの神浄一家父母殺人事件の犯人"……それは
「__暗殺者、"フリッカー"…」
世界でも有数の暗殺者フリッカー
警察がひた隠しにしていた存在は当時の例の事件で明るみの下に晒された
世間を震撼させ震え上がらせた暗殺者が事件の犯人として上げられたからあの事件はあれ程までに有名になったのだ
ついと戦兎は鏡怪の父、光に視線をやった
ミシェルは光を暗殺者とそう言った
そしてこの男は喜怒哀楽が中学生になるまで親代わりであった人間だ
なら…導き出される答えはそう難しくはない
「貴方がそのフリッカー…」
光「…ああ、そうだよ。私がそのフリッカー…そして弱いながら術師でもあった男。まぁ、どちらもとうの昔に引退してしまったけれどね。……彼女が言った事は全て真実だ。私もかつてそれを知ったんだ」
「!?」
光「1年前、彼女はここへやって来て全ての全容を話してくれたんだ。勿論、彼女が知るだけのものだろう。それでも誰にも言えず止められなかったのは私にそんな力が無かったからだ。話を戻そう…あの事件は私の下に偶然にも神浄一喜の暗殺の依頼が来たからだった」
光自身とても困ってしまったそうだ
一喜とは切磋琢磨している仲で依頼で殺せる筈が無かった
だからどうにかしようと相談しに家へ訪れたら、一喜は、その妻も果てていた
粗方の事を察して一喜を殺して放心状態に陥った喜怒哀楽を保護したのだ
そこまで話した光は一度小さく息を着くと、耳を疑うような事を告げたのである
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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年10月22日 17時