science330 ページ44
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紫「オン、バサラド、ダン!」
熾「掛け巻も畏み奉りけるは浄め大祓え給い,邪なる者を破らん__斬!」
エ「ぐ…」
紫苑の
同時に短い詠唱の後、剣印を振り下ろした熾織は不可避の霊力を叩き付けた
対処の難しいオカルトの技をまともに喰らい
エボルトは小さく呻き声を上げてよろめいた
時はほんの一瞬__それでも、ボトルによって身体が強化された喜怒哀楽にとっては十分過ぎる
「はぁっ!!」
エ「ぬうっ!?」
刃を水平に持ち、そのまま一閃に薙ぐ
こう言う硬いタイプはただ斬撃を当てても意味がない
光騎の様な魔術が施された剣なら火力でどうにか出来るが
威力重視より一撃必殺を重んじ、ただの刀を扱う喜怒哀楽にとってそれは異なる
故に…単純に、柔らかい部分を斬ってやれば良い
例えば__
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エ「っ、膝の裏…"接合部分"を狙ったか
一年も硬い奴等と戦って少しは学習したか?」
「鎧と一緒だ、必ず覆いきれねぇところはある
少し頭を捻りゃ出て来る事だよ」
仮面ライダーだろうが何だろうが
全身全部硬い装甲で覆われている訳じゃない
関節に相当する部分は柔らかいし装甲も着いてない
そこを喜怒哀楽は狙った訳だ、散々かったい敵に巡り会ってきた経験が幸を奏した
エ「まさかお前が俺も知らないボトルを持っているとはな。しかもセフィラと来た、神が埋めた生命の樹なんてどうやって手に入れた?」
「クソ上司に頼まれた悪辣なおつかいってところだっての。そんな無駄口叩いってと__」
「首を刎ねるぞ」と言いかけたその時
喜怒哀楽は何か違和感を覚えてはたりと言葉を紡ぐのをやめた
そして次にあったのは
「ゴポッ__が、あ…?」
龍「喜怒哀楽!?」
熾「なっ……」
這い上がるものを感じて抑え込むよりも先にそれは起こった
自分の口から溢れたそれに、アスファルトに広がる"深紅の液体"に思わず凝視する
思い出す様に痛みだした胸を五指で握り締め
のろのろと膝を着いた喜怒哀楽は鉄臭いのも気にせず呆然と呟いた
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「吐…血……?」
咳き込む様にして口から溢れたのは
自分の体内を巡っていたであろう、"血液"に他ならなかった
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黒神白堊(プロフ) - ナミビアさん» いえいえ、お気になさらず (2018年5月6日 23時) (レス) id: ba11baa63e (このIDを非表示/違反報告)
ナミビア(プロフ) - 黒神白堊さん» いぇいぇ~突然スミマセン…! (2018年5月6日 22時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
黒神白堊(プロフ) - ナミビアさん» あー……そうだったんですか…すいません。 (2018年5月6日 22時) (レス) id: ba11baa63e (このIDを非表示/違反報告)
ナミビア(プロフ) - 黒神白堊さん» その事について聞きたかったです…! (2018年5月6日 22時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
黒神白堊(プロフ) - ナミビアさん» …?ああ、それならはい (2018年5月6日 22時) (レス) id: ba11baa63e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年4月21日 16時