science329(戦兎side) ページ43
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何度も激痛によって意識を落とし、その度に激痛によって目が覚めた
体が確実に毒に蝕まれていく感覚は百足が
肉の内を這いずり回っているそれに似ている
死へと一歩ずつ進んで行くのを早鐘の様に鳴る心音から聞きながら、ふと戦兎は開いている扉の先へと視線を向けた
(なん、でゆーちゃんとエボルトが…)
__戦っているんだ?
……喜怒哀楽とエボルトが戦っている
背後に熾織と紫苑が居るものの
明確に相手しているのは喜怒哀楽ただ一人だ
苦痛に顔を歪めていなければ瞠目していた事だろう
悲鳴に似た声ではなく彼方に向けられる程の余裕があるのなら「無茶だ!」の一言くらい言えたのかもしれない
しかし、痛覚が体を蝕んで聴覚が麻痺している中では何を言っているのかすら聞き取れない
目の前で戦っている喜怒哀楽は片方に打刀、もう片方にボトルがあった
ボトルはあのカラーリングからしてセフィラフルボトルだ
ボトルの力なのか尋常じゃない速度でエボルトを追い詰めようとする彼の動きはやっと目で追いつける程だった。一体何処で覚えてきたのか剣術の腕も見事でそれだけを見るなら彼が一番だ
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(あの刀、どこかで……)
ふいに戦兎は強烈な疑問感に襲われた
同時に覚えたのは既視感だ
銃刀法がある社会の中で未だ顕在し使用される日本刀
柄の柄糸は二藍色、鍔は桔梗を模した形
60cm以上の刀身ではあるが決して太刀の様に長くはない…打刀
それをかつて戦兎は見た事がある
1つはエボルトによって刷り込まれた偽りの記憶の中で
1つは龍我を助けたあの日に
ファウストのアジトに乗り込んだ時に
姿を現した暗殺者が持っていた刀と酷く酷似していて___
(…まさか……な)
喜怒哀楽がルターなんじゃ無いかと考えが過ってすぐに否定する
きっとただの偶然だ、喜怒哀楽の家は平安時代から続く陰陽師の家なのだから似た刀があっても不思議じゃない
後々ちゃんと怒らねぇとな、毒に侵されながら戦兎はぼんやりとそんな事を思った
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黒神白堊(プロフ) - ナミビアさん» いえいえ、お気になさらず (2018年5月6日 23時) (レス) id: ba11baa63e (このIDを非表示/違反報告)
ナミビア(プロフ) - 黒神白堊さん» いぇいぇ~突然スミマセン…! (2018年5月6日 22時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
黒神白堊(プロフ) - ナミビアさん» あー……そうだったんですか…すいません。 (2018年5月6日 22時) (レス) id: ba11baa63e (このIDを非表示/違反報告)
ナミビア(プロフ) - 黒神白堊さん» その事について聞きたかったです…! (2018年5月6日 22時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
黒神白堊(プロフ) - ナミビアさん» …?ああ、それならはい (2018年5月6日 22時) (レス) id: ba11baa63e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年4月21日 16時