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science265(節季side) ページ44

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「寝に入ってくれたか…丸一日寝ておらんと言うのに
神浄の血を持つ者達はどれも無理をする奴よ」





人一人がゆうに寝そべられる長椅子で眠る
喜怒哀楽を眺めつつ節季は溜め息を吐いた

全く、神浄家の人間は昔から無理をする人間ばかりだ
喜怒哀楽と言い熾織と言いその親と言い祖母と言い
人の身がどれだけ脆いのか本当に解ってない









(血筋は争えんと言うやつか?なぁ友__神浄夕晴(ゆうせい)よ)






かつて__今から約1000年前に生きていた友人
神浄家の始祖、神浄夕晴の事を思い出しやれやれと肩を落とした



神使の化け狐、信太の狐と人の間の子

安倍晴明とは血を分けた兄弟であり
穢れた神を祓うのに特化した陰陽師であった夕晴は
ローマ神サートゥルスにとって最初に出来た友であった





最初の友人もこれまた無茶をする奴だった


好奇心旺盛故にどんな事にも首を突っ込み
色んな事に捲き込まれてはボロボロになっても尚
弱き者達を助ける陰陽師

そのせいか物忌みだの他の理由をこじつけては出仕を控え、陰陽頭には怒られる始末ではあったが








__ガチャ、







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泰「立榎、少し相談が______
 …明月(彼女)の孫じゃないか、どうしたんだ?随分と顔色が悪いようだが…」


「泰山か。これでも先よりは良くなった方だぞ?
まぁ少し休めば治るものだ、気にするでない」







酷く心配そうに喜怒哀楽を見つめる泰山をあしらい、大事はないと笑顔で応える節季




…そんな訳がない。だが嘘を着かなければならなかったのだ

本当は生命の危機に瀕している何て伝えたら
彼の顔は真っ青に染まり倒れてしまうだろう
こんな時に倒られたら一溜まりもない、故に偽りを吐いた



喜怒哀楽は日が昇るまで此所に置いておこう
彼等には適当な事を言って帰って貰えば良い









「それで、相談とは何だね?桐生戦兎の件か?」


泰「ああ。彼が私から1ドルクを貰ったんだが…」


「!…ははは、1ドルクか」





桐生戦兎が取った行動、その答えを友は欲している

自分にはあっという間に解ってしまった
嗚呼…何て愚かでそして支えたくなる程真っ直ぐな事か



きっと…神浄喜怒哀楽が知れば血相を変えて反発するであろうが







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「首相のそなたに金を要求するとはまるで__"反逆者"のようだとは思わんか?友よ」



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- 面白いです!!頑張ってください!! (2018年7月19日 21時) (レス) id: a20db0fe37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年3月31日 17時

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